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銀河鉄道の夜 四次稿編 (2)

銀河鉄道の夜 四次稿編 (2)

銀河鉄道の夜 四次稿編 (2)

作家
宮沢賢治
ますむらひろし
出版社
風呂猫
発売日
2021-05-15
ISBN
9784904732830
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銀河鉄道の夜 四次稿編 (2) / 感想・レビュー

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(C17H26O4)

読者は知っている。ジョバンニとカンパネルラは軽便鉄道に一緒にいるのに、一緒にいない。二人のなんとなく噛み合っていないような会話に改めてそれを意識させられる。カンパネルラのかなしげな表情に、ジョバンニのさびしいような気持ちに、胸が苦しくなる。たまに差し込まれる見開きのカラー頁が目に飛び込んでくる瞬間、息を飲む。あんまり透き通るように綺麗で切なくて。ジョバンニの持っていた切符にどきりとした。「いちめん黒い唐草のような模様の中におかしな十ばかりの字」をますむら氏は描いていた。ああ、二人は一緒にはいられないのだ。

2021/05/15

へくとぱすかる

第1巻の絵の美しさが忘れられず、続きを読む。何と第2巻には、大変な驚きが待っていた。表紙に注目。早くに気がついていながら、自分の直感を無視したことが悔やまれる。ますむら氏の着眼(正確には妹さんの)には感服した。かつて天澤・入沢両氏の論考を読んで、そういうものだと納得したが、鉄道に興味がある人なら違和感を覚えていい。賢治が第6章で、ジョバンニが列車に乗っていることに気がつく場面に明記してある。「夜の軽便鉄道」と。モデルになった岩手軽便鉄道も、また花巻電鉄も、レールの幅が762ミリしかなかったのである。

2021/06/02

小鈴

2020年に出た第一巻に興味を示さなかった子どもが気づいたら学校の読書時間にこの本を持っていってました。漫画でもいいの?と聞いたら、先生がこの本ならいいよと言ってくれたらしく。大きくて重いのにわざわざランドセルに入れて持っていく。続きが気になるというのでググったら2巻が既に出ていたので慌てて購入。宮沢賢治の文章とますむらひろしさんの美しい絵にうっとり。子どもが宮沢賢治に少しでも興味を持ってくれて嬉しいですね。ますむらひろしさんのおかげです。

2022/01/19

ぐうぐう

第1巻のあとがきでますむらひろしが「描くということは、賢治の描いたボンヤリした世界の現場検証みたいなもの」と書いたように、この第2巻もますむらの誠実な検証が窺える。まずはなんといっても、列車の座席がボックスシートからロングシートに変更された点だ。83年と85年のますむらによる『銀河鉄道の夜』ではボックスシートだったが、大正時代の花巻を走っていた軽便鉄道はロングシートだったことを突き止め、3度目の『銀河鉄道の夜』となる今作では全面的に改められた。(つづく)

2021/06/20

KAKO

前回描かれた時の作品を、より丁寧に細密に美しく一層心を込めて描かれていることが、一コマ一コマから伝わってくる。どの角度からでも十字に見える十字架、不思議な鳥捕り。そして、ジョバンニが車掌に見せた謎の切符の衝撃。原作では何という文字が書かれているのかはっきりしないのだが、ますむらさんは絵として描かざるを得ない。その過程があとがきに書かれていて、なるほどと感心。もう、この文字しか考えられない。日本の子どもでないジョバンニ達には読めない…よく考えたなあ。素晴らしい。

2024/07/20

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