漱石全集を買った日: 古書店主とお客さんによる古本入門
漱石全集を買った日: 古書店主とお客さんによる古本入門 / 感想・レビュー
コットン
多聞さんのオススメ本。著者がどんな風に本好き・古本屋好きになったかを含め全国の古本屋さんの店主や本の傾向・店内の雰囲気までリサーチしていて、古本屋さん愛に満ちている(関西多め)。18ページに及ぶ本棚の本がほぼ読んでいった歴史というのも面白い。
2020/02/19
さらば火野正平・寺
私は夏葉社の本が好きである。こないだも夏葉社の上林暁の本を読んだばかりだが、また読んだ。「善行堂」という古本屋も営む文筆家・山本善行と、そのお客である清水裕也の対談集。この清水さんが古本好きになっていった過程を追いながらの対談でもある。清水さんは奥さんも古本屋で働き出したらしい。世の中には私が想像している以上に素敵な古本屋や出版社がある。龜鳴屋なんて出版社を初めて知った(速攻検索した。素晴らしかった)。新刊書店も良いが、過去からの文化の流れのひと掬いであるような古本は、小さな文化財だとつくづく思う。良い。
2019/07/18
きっち
古本屋の店主(山本善行)と、その店の常連客(清水裕也)の対談集。話好きの店主と客の会話をすぐ側で聞いている感じ。会話に出てくる本は、書名の漱石全集をはじめ近代文学とその周辺の本が多い。清水氏が「古書善行堂」で買った本のほとんどが写真で紹介されていて、それも見ていて楽しい。上林暁、木山捷平、小山清など買った人の好みがわかる。対談も丁々発止という感じではなく、好きな本や古本屋についてのんびりと語っていて、本好きは幸せな気分になる。良い本だ。
2019/08/20
さすらいのアリクイ
京都で古本善行堂を営む山本善行さんと、数年間で強者の古本マニアになってしまった清水くんという若者が古本屋や古本などについて語る本。お二人とも色んな古本を触り古本屋を巡られていて、読んでいてかなわないなと。その部分は古本初心者の方には真似は無理と思うのですが、この本は二人の対話から古本屋に行ったときにどこを見たらよいかとか、対話の中に出てきた作家の面白い部分などをそっと読者に教えてくれる感じがします。善行さんはかつては塾の先生で、清水くんは話聞き上手。二人の滑らかな掛け合いを堪能しながら色々と学べる本です。
2019/09/03
S.Mori
古本屋の店主とお客さんの対談集です。お二人の言葉の端々から本が好きでたまらない事が伝わってきて、読んでいて嬉しくなる一冊でした。これはお勧めです。子供の頃は読書に関心のなかった清水さんが夏目漱石に出会い、本好きになる過程が語られており、共感しながら読みました。小山清のようなマイナーな作家についても熱く語られています。たとえ売れなかった作家であっても、その作品を読んで自分の生き方を変えられることがあるのでしょう。そんな作家や詩人たちを大切にしようと思う古本界隈の人たちがいるのは、心強いし本当に嬉しいです。
2019/11/11
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