昭和 写真家が捉えた時代の一瞬
昭和 写真家が捉えた時代の一瞬 / 感想・レビュー
あじ
昭和の始めから大阪万博までを収めたモノクロ写真集。人々のたゆまない歩みが地層となり地盤を固めて下さったからこそ、今が存在しているのだと胸が一杯になった。父は失業、母は出稼ぎ、ボロを纏う姉妹。家計の足しにボタ拾いをする少年。華々しい高度経済成長。『昭和』は人間の愚かさと、生命の尊さを伝える時代ではなかったろうか。
2013/12/09
白玉あずき
持ってきた書店さんが、これは患者文庫で紛失の可能性が高かろうと言う。そりゃあ私でも欲しい本、もっと年配の方ならさぞかし懐かしい思いをされるでしょう。念のため天地、小口にも判をついておきました。白黒写真のレトロ感、カラーより陰影くっきり。貧しかった日本が高度成長に向かう劇的な変化を味わうことが出来ます。「昭和」とは本当にすごい時代でした。貧農の生活、漁師や海女さんの裸体も印象的ですが、個人的には安田講堂・機動隊あたりが一番記憶に残ってます。「純朴」とか「素朴」と言う言葉を実感できる人々の笑顔が見ものです。
2013/12/20
勝浩1958
先ずはこの表紙の写真の少年の飴を細工している指先を睨み付ける表情が切ない。きっと買いたくてもお金が無いから買えないのだ。戦前の写真ではP28「横須賀海兵団の横隊行進」に圧倒される。昭和16年とある。写っている学生の何人が生き残ったのだろうか。敗戦から占領時代の写真ではP42、P43の戦災孤児の姿。この写真は他の写真集がでもお馴染みのもの。少年たちは垢で薄汚れ、みんな裸足だ。それにしてもなんと美味そうに煙草を喫むことか。復興への記録では都会もさることながら地方の街並みが強烈に郷愁を誘う。私は昭和が好きだ。
2013/12/07
kumonosuke
凄くいい。魚屋の子供が様になっている。発展途上の国は子供の表情にも力がある。
2014/05/01
TAGO
▶最初のページは昭和12年 戦前の丸の内オフィス街にカンカン帽を被ったスーツ姿の粋な伊達男 ▶最後のページは昭和45年 大阪万博の太陽の塔 昭和10年頃から45年までの日本で暮らす人たちの『生』がとても伝わってくるモノクロ写真集。 『個』より『集団』の写真が多く見られる。 時に圧倒されるほどの『群衆』だったり。 農村での写真はまるでおしんの世界。 後半は建設ラッシュそして大気や水質汚染を写し出した写真。 読み進めるうちに時代が重なる『意地悪ばあさん』とリンクさせながら見てました。
2019/05/18
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