すてきなひとりぼっち
すてきなひとりぼっち / 感想・レビュー
シナモン
雑踏の中でのひとりぼっち。心細かっただろう。その後の周囲の優しさに胸が熱くなった。「月はしずかにひとりぼっち 太陽はどうどうとひとりぼっち ぼくもぽっかりひとりぼっち でもこのひとりぼっちは気持ちいい。」ひとりぼっちもいろいろ。そしてひとりぼっちの時にこそ、素敵な経験が待ってるんだなぁ。表紙のキラッと光る星が印象的。素敵な一冊でした。
2021/06/03
とん大西
たまにこういう絵本を読むと心が洗われるような気持ちになります。「ひとりぼっち」なことは何もかもネガティブではない。家族の団欒も朝の訪れも、むしろひとりぼっちだからこその出会いもある。…つくづくと…子供にとって良書とのめぐりあいは大切なのだと考えさせられます。我々はイマイチな本でも切り替えて次の作品にトライできます。それは大人の経験値のなせるわざなのでしょう。多面的で肯定感をうったえかける本作のような良書とたくさん出会うことが子供の心の豊かさにつながるんやろねぇ(ちょいと真面目なこと書いてしもたわょ)
2021/06/02
けんとまん1007
タイトルと装丁で、思わず手に取った。ひとりぼっちという言霊は、こう考えると、とても広いものだ。ひとりぼっちというのは、ある瞬間を切り取ったこと。そこだけでずっとということはない。そこから始まる時間。そうそう、種を蒔いて芽が出る前の時間と同じ。どんな風に育つのかなあ~。
2021/10/28
☆よいこ
児童書。マイペースな男の子は会話に置いてけぼりにされたり転んでしまったり、ちょっと悲しい。だけど「なれてる」と言い訳してうつむく。ママを探していたらカメを拾って、商店街で迷子になってしまった。周りの人がなんやかんやと話しかけてくる。ぼくはもう、ひとりぼっちじゃなかった。疲れて眠っていた夜、ふと目が覚めると夜明け前。月はしずかにひとりぼっち。太陽はどうどうとひとりぼっち▽優しいお話でした。2021年刊
2023/11/01
はる
うーん、これはなかなか深い。いつも自分は一人ぼっちだと思っている男の子。ある日、偶然拾ったカメをきっかけに一歩進み出します。優しい物語ですね。表面上は。でも、よく読むと、序盤の男の子はちょっと自己中心的というか被害妄想にも思える。温かい言葉をかけてくれる優しい大人たちも、実は結構自分のことを考えてる。ちゃっかり商売してるし。こういう描写を敢えて入れているのも作者の狙いなのかな。現実の厳しさを男の子はまだ知らない。でもそれでいい。ラストの夜明けのように、人生は希望に満ちているものだから。
2022/01/18
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