魔法の世紀
魔法の世紀 / 感想・レビュー
ワッピー
レバレッジ・リーディング読書会:推薦本の基礎資料として。落合氏初読。自分が直接関わっていない分野のため、技術的側面のすごさはあまり実感できていないが、氏の主張するコンピュータは人間の能力を拡大していくものであるという技術的思想性、そしてアートの進化と方向性については若干理解できた。人間がアートを表現するとき、そのメディア(媒体)が岩壁のような巨大なものから次第にポータブルなものへ移行していった経緯、そして媒体=人間の過渡期、さらにはコンピュータによって人間もまた表現されるものになり、すべてがメディア化⇒
2021/01/07
kana
著者によれば「映像の世紀」の次にやってくるのは「魔法の世紀」だといいます。メディアアートというものを恥ずかしながら知らなかったのですが、人間中心主義を超越し、異なる次元の問題を等価に処理することで、あらゆる場所に同時に存在しているように振る舞える世界を私も見てみたいです。魔法という割にメディアの歴史と未来を時に専門用語も交えて多方面から書き尽くしていて、決して易しくないその骨太な内容が、口先だけのビジネス書とは一線を画していて逆に好印象。飲みながら延々と話を聞いていたくなるような夢とロマンがありました。
2015/12/27
アキ
先日美術館で「魔法の美術館」というデジタルアートを見た。今後のアートはこうなのかと面白さ半分・落ち着かなさ半分だった。20世紀は映像の世紀で、21世紀をコンピュータを根本理念とする「魔法の世紀」と著者は呼ぶ。アーサー・C・クラークが「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」と。ディズニーの目標はこの世界に魔法の王国を作る。「アナと雪の女王」での雪のシーンはパーティクル演算技術を使用しており、論文化している!アートもコンピュータの時代。著者の言うデジタルネーチャーがこれからの常識を変えるのだろう。
2018/08/01
kubottar
落合陽一氏の考え方は独特で本当に面白い。我々はコンピューターを使って日々便利な暮らしを享受しているが、それはコンピュータ自身が成長するために人間を利用しているとしたら・・?
2019/01/20
白義
コンピュータ技術が外界の物質にも鑑賞可能となってその制御ができるようになる時代、デジタルな深層が表の現実を拡張していく世紀。そこでは物質とは情報を表現するための窓となる。そんな時代を理解するための補助線を芸術史や情報技術史を振り返ることで引いていく夢のある論考である。著者自身が作り出した「触れるプラズマ」や「音波による物質浮遊」といった先端技術と芸術を組み合わせた作品も驚異的なもので、そうした実践により導かれた思索は強烈な印象を残しながらもどこか現実味を帯びた確かなビジョンとして迫ってくる。SF的な思想書
2017/01/20
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