つげ義春の温泉
つげ義春の温泉 / 感想・レビュー
つちのこ
この作品は2003年にちくま文庫版で読んだが、初版の単行本が手に入ったので、改めて再読してみた。昭和40年代の温泉場の写真、『長八の宿』『ゲンセンカン主人』などの漫画、そして温泉旅行をもとにしたエッセイ。そのどれもが、つげワールド。このバランスの良さとクオリティの高さは非凡なる故か。著者が好んで描いた、鄙びて、寂れて、貧しい…そんな昭和の情景が匂い立つような温泉場や宿も絶滅危惧種になってしまったが、東北の山奥には自炊ができる湯治場もまだ残っているという。いつの日にか、作品の残像を探しに訪ねてみたくなった。
2023/09/14
Lila Eule
玉梨温泉の居間で拝見。若い頃、鄙びて侘しく寂しく湿った貧しく陰鬱な雰囲気に、入れなかった世界でしたが、奥会津の宿の窓際で川音を聞きながら読んだら、入り込んでしまいました。昭和40年代、50年代の各地の私も好きな温泉の写真と絵に、記憶に残っている風情を見つけて、楽しみました。いつ以来かわからぬ漫画には、宿の人間臭を嗅がされました。後半の旅行記も秀逸で、各地の消え失せた消え失せようとしている時が蘇るようでした。実に波長の合う温泉地巡りの数々でした。以前、定義温泉は謎めいて行けなかった事も思いだした次第。
2018/10/21
ひねもすのたり
つげさんが旅をした昭和40年代~50年代の湯治場の様子が描かれています。 漫画以外にも写真やエッセイを駆使して表現される貧乏くささは天下一品です。 私自身は、つげファンでも温泉マニアでもありませんが今まで読んだ旅モノ(紀行文)の中ではベスト1です。 絶版になっているのが悔やまれます。 詳しい内容はこちら→ http://www.mugendo-web.com/y_tsuge/onsen.htm
2012/02/03
towerofthesun
他の作品集でもすでに読んだことがある話がほとんどだったが、いくつかの未発表エッセイやスナップ写真も。
2017/01/31
波のうねうね
まるで幽霊じゃないかあ!!!写真がたくさんあって、写真をみてると胸がむずむずした。わたしが知っている温泉のまんがはローマ人の出てくるやつぐらいだったので、新鮮だった。
2014/02/16
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