対話のために 「帝国の慰安婦」という問いをひらく
対話のために 「帝国の慰安婦」という問いをひらく / 感想・レビュー
クァベギ
日本の学界内での『帝国の慰安婦』をめぐる論争に限っていえば、歴史学の人とそれ以外の分野の人(社会学や文学など)の、方法論の違いが根っこにあるのかな、という気がしてきた。歴史学には進化(?)が必要なのかもしれない。
2022/02/01
ミネチュ
色々な人が「帝国の慰安婦」そのものやそれに関する論争について述べています。 色々な人の文の中で最もよかったのはやはり上野千鶴子の論。小倉紀蔵の文も前半はよかったけど、後半はちょっと難しかった。 この朴裕河事件をめぐって、私が最も理解できないのは、この本を読んでいないくせにこの本を巡って朴裕河を批判する人たち・・・
2017/10/28
たろーたん
この中で一番面白かったのは上野千鶴子の論文だった。上野曰く、歴史学は「物語論的転回」によって大きく転換を迫られるはずだった。歴史とは、記録以上に集合的な記憶であり、そして集合的な記憶とは、選択的な忘却と記憶の集合である。そして、記憶とは「語り」によって「語り手」と「聴き手」の相互関係の間に、その時その場で生産され、不断に再定義される経験である。だからこそ、誰が何を誰に対して語るのか、が問われるのだ。そのため、今や歴史家は、「記憶」という概念抜きには、歴史を語ることができない…、はずだった。(続)
2024/09/06
イカ
朴裕河『帝国の慰安婦』は、一言で言えば、慰安婦をめぐる支配と抵抗、強制と自主、差別と被差別の問題を構造としてとらえてそれを批判的に論じたものである。 本書は『帝国の慰安婦』およびそれをめぐる諸問題について、15人の論者がさまざまな視点から考えぬいて書いた書評集というか論文集のようなものである。 単純化して言えば、15人の左派の論者が、いつもスッキリしたがって怒っている極左の人々をなだめたり叱りつけたりしながら、モヤモヤの世界に連れ出そうとする本である。
2018/04/05
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