反東京オリンピック宣言
反東京オリンピック宣言 / 感想・レビュー
松本直哉
競技場建設のために強制退去させられる住民についての野宿者の方の文章と、競争至上主義の五輪を拒否して自由に競技し続けるノルウェーのスノーボード選手の文章が特に印象に残った。福島の惨禍の隠蔽によって成り立つ東京五輪を批判すべきなのは言うまでもないが、もっと本質的に、富む者がますます富み、貧しいものをますます貧しくさせるオリンピックという茶番そのものに、マスメディアの洗脳にもかかわらず、非国民との罵倒にもかかわらず、最後の一人になっても異議申し立てをしていかなければならないとあらためて思った。
2018/03/02
ばんだねいっぺい
テレビを見て「わー楽しいなオリンピック」と思っていた自分が恥ずかしくなった。 しかし、これは、誰が読むことを想定した本なのか。本気で反対するならば、また、別のやり方を取らないとしたら、ちょっといただけない。スミスとカーロスそしてノーマンの話には義憤を覚えた。
2016/09/16
たろーたん
小笠原氏のあとがきが良かった。オリンピックに対してシニカルな対応で、よくあるのが「どうせやるなら派」だ。事実上後戻りができないなら、むしろ、今までにかかった投資をどのようにすれば「資本貴族」たちの手から奪うことができるのかを提案することで、オリンピックの換骨奪胎を目指す戦略だ。五輪を機械と捉え、統治側の計画を逆手に取り、本当に市民のためとなる都市の再開発などのオルタナティブを求める。スポーツイベントに留まることをやめ、消費者ではなく、新たな価値観を作り出そうと言う考えである。(続)
2024/07/21
siomin
2020年東京オリンピック開催に異を唱える論文集.社会学や哲学などの視点からの意見が多いですが,当事者であるはずのスポーツ選手も寄稿しています.費用がかかりすぎる(本書では1兆8000億円と書いていますが,現在では3兆円!),東京でオリンピックより災害復興に力を入れるべきなどあります.ただ,論文集ということで内容が硬く,理論武装はできたとしても反オリンピックの支持が広がるかは疑問かなと思います.
2016/11/10
まだない
観念的な学術論文のようで、わたしにはめっちゃくっちゃ読みづらかった。 ぜひ、専門家じゃない読者にも著者の主張がわかるよう、わたしに編集させてほしい。今は手放しでオリンピックを受け入れている人が多いので、反対意見を知るのは貴重だと思う。もっと短くて容易な内容にして、日本国民(特に東京都民)に手に取ってもらいたい。
2021/01/10
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