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哲学の賑やかな呟き

哲学の賑やかな呟き

哲学の賑やかな呟き

作家
永井均
出版社
ぷねうま舎
発売日
2013-09-19
ISBN
9784906791194
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哲学の賑やかな呟き / 感想・レビュー

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ころこ

著者の哲学を「この私」を考える哲学だとすると、著者の「この私」が露出する日記は面白く読めるはずです。失敗やそれに伴い何かが変わる継起があると「この私」が立ち上がって来ます。本書は表向きその様な体裁ですが、著者の地声が伝わらない文章であるという印象を持ちました。同じ問題を繰り返している著者の哲学が関係しているのでしょうか、著者の<私>は「この私」とは正反対の態度です。哲学を誰からも教わらない、政治にも興味が無い。ウィトゲンシュタイン風にいうと、著者は実存盲であるが故に<私>についての考察が可能である。

2019/04/24

へくとぱすかる

永井先生がmixiに書き込んだ日記・つぶやき集。まさかmixiをされているとは! グレーの表紙の姉妹編とはちがって、ひとつずつが短い。ウィトゲンシュタインの本みたいで、それと意識せずにこういう構成になったのか? いずれにしても、さまざまな哲学議論を取り上げて、基本的にはそれを包括したり、ひっくりかえしたり。mixiだけに、現実の政治・社会にかかわるような記述(東日本大震災についても触れられている)もみえるが、あくまで永井哲学からにじみでた記述。わたし的には、森田童子を聴きたくなってしまったが(笑)。

2015/05/30

踊る猫

「呟き」が「賑やか」? わけがわからないタイトルだが、中身は……例えば中島義道『観念的生活』のような「真っ当な」哲学と日常を期待して読めば当てが外れるのではないか。ここにあるのはウェブで発表された、よく言えば肩の力が抜けた、悪く言えば脱力したエッセイの数々だからだ。ソリッドな思考が展開されるというわけではないが、考えてみれば永井均の哲学の進め方はゴリゴリに理詰めというわけでもなく、柔よく剛を制すという無理のない推論とそこから静かに、手堅く演繹を施す作業なのだった。永井らしい日記だが、ファンしか楽しめまい!

2020/06/09

文章で飯を食う

本筋の哲学に頭脳的にか体力的にか、ついて行くことができず、寂しい思いをしている。本書は、一編一編が短くて、おもしろい物はおもしろいし、つまらないものは、飛ばし読みすればいいから、ちょうどいい。句集みたいなもので、全部が響いて来るわけで無いが、それが当然である。響いて来たのは、森田童子の所と哲学にひたりきる話。哲学は命題が正しいかそうでないか、好きか嫌いかではなく、論理に破綻がないかが問題だというところ。将棋指しが読みの深さを競うようなものか。こっちは勝ち負けがつくけど。後、瞑想のくだりは儲けものだった。

2017/04/14

ナハチガル

永井先生によるライトなエッセイ集を期待していて、トヒックは時事問題(東日本大震災とか酒井法子失踪事件とか)、サブカル(森田童子とかSlayer(!)とかエヴァンゲリヲンとか)、雑感(くしゃみの止め方とか若い頃の思い出とか)と多岐にわたるが、やはりけっこう歯ごたえがあった。面白いものは面白いが散漫で、作品としての完成度はもう一つだった。「(哲学とは)たいていの人が盲目である場所であえて目を見開き、そこをどこまでも凝視し続ける(そしてたいていの人が盲目である理由までも見極める)仕事なのかもしれません」A-。

2022/09/04

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