ローカリズム宣言―「成長」から「定常」へ
ローカリズム宣言―「成長」から「定常」へ / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
経済活動とは、人間が生きて行くために必要な商品やサービスを交換することです(20頁)。経済成長の基本原理:人間は身体という限界を超えた消費活動をすることができない(傍点、21頁)。経済というのは、コミュニケーションのために人類が黎明期に発明した制度(23頁)。安倍政権以後、 政治過程の株式会社化(傍点)が急進(48頁)。定常経済というのは、手持ちの資源をできるだけ高い質において維持するということ。資源を軽々に換金しないこと(64頁)。
2018/02/14
けんとまん1007
違和感だらけの、今のこの国。特に、政治・経済や、そこから波及する分野まで含めて、そもそもの考え方がどうなってしまったのか。足るを知る・・という言葉を思い出した。内田先生のご意見も、そこへ行く着くのではと思った。また、うすうす感じている不安を覆い隠すために、成長という言葉にしがみついているのかもしれない。成長から成熟へ、定常へというのが、本来あるべき姿のように思う。それを、複眼的な視点から提示されている1冊。
2018/03/02
Sakie
内田先生のいつものお話。最近書かれている、これからの日本社会についてのトピックが集まっている感じ。成長主義経済から定常化経済へ。グローバル化からローカル化へ。資本主義の終わりから、まだ見えない潮流の始まりに向けて。いや、それは実はもう始まっていて、片鱗は方々に見えているのだ。その先に何があるのか、矯めつ眇めつ考察する内田先生のお話はやっぱり面白い。「廃県置藩」は興味深いアイデアだ。藩は日本の山河による境目に合わせて形づくられたと聞いたことがある。そうなったら、おもしろいことになりそうだなあと妄想する。
2020/11/01
hk
「内田樹の集大成・総決算」「内田樹のエッセンスが凝縮された一冊」……内田氏の書籍を読むたびに書評の枕にそういったフレーズを綴っている。どういうことかと言えば、同じ内容を幾度となく読んでいるということだ。それでいてまたもや読んでしまうのはなぜか?それは内田樹の言説には説得力と深みがあるため、読むごとに新発見があり理解が深まっていくからだ。そして何よりも文章が流麗なのだ。難解な用語をもちいて読者を煙に巻くような卑怯な真似は決してしない。真っ向から読み手に向きあってくれている。是非ともお手本にしたい文章だ。
2018/03/09
Ryuya Matsumoto
「今、社会がどう変わっていっているのか」ということを知りたくて読みました。読んで気付いたのは、社会がどう変わっていっているのかということより、「自分自身がどんな社会で生きていきたいのか」ということでした。
2018/09/17
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