菊とギロチン ーやるならいましかねえ、いつだっていましかねえ
菊とギロチン ーやるならいましかねえ、いつだっていましかねえ / 感想・レビュー
harass
2018年の同名映画をあの栗原康がノベライズ。アナキズム集団ギロチン社のメンバーと女相撲と出会う。社会に不満をもち、強くなりたいと願うが、ダメダメなのも自覚している彼らの葛藤と悪あがきの青春群像。憧れのアナキスト大杉栄の仇討ちを目論む彼らと、酷い貧乏と夫の暴力に耐えきれずに偶然知った女相撲の巡業に憧れ、逃げ込んだ女性。栗原のノベライズの後に、原作脚本を書いた監督によるその後が続くのだがそこがまたいい。こんな映画あったこと自体初めて知った。栗原ファンなら必読。
2021/04/18
椿 釦
映画がとても良く、ノベライズが栗原康だったので迷わず買ったのだけれど、ずいぶん放置してしまった。女相撲やアナキスト達の歴史が読めて、映画を観てから読んだので、もう一度映画を観ているようで満足感が強かった。映画が本当に素晴らしいので、まず映画を見て欲しい。映像役者小道具音楽、全ての調和が取れていて強いメッセージ性もあるが押し付けがましくない演出で、上映時間の三時間短く感じた。で、映画を観たらこの本も読むべき。補完部分は多いし監督の書いたその後の話が、またいいのだ。世知辛いこの世を生き抜く弱者の姿って美しい。
2019/01/21
MICKE
セリフなどは映画のままだけど、やはりこれも魂の叫びが伝わってくる。あとはこのアナキズムをどう自分に落とし込むかだな、
2019/05/30
biwacovic
映画観た後に読んだ。つんのめる文体。失わない怒り。クソッタレな歴史。映画を補完する素晴らしいテキスト。
2018/08/04
ひるお
大杉栄に憧れ、その死に怒り復讐を誓うも、成し遂げぬまま捕まり死刑となったアナキスト・中浜鉄。関東大震災後の混乱の中で彼が出会ったのは、女相撲の興行だった。監督・瀬々敬久、脚本・相澤虎之助/瀬々敬久による映画を、アナキズム研究者・栗原康がノベライズ。お馴染みの栗原節とともに、映画のストーリー、登場する重要人物たちの来し方が明らかになっていく構成は読みやすく、権力、差別、思考停止の愚かさが存分におちょくられる。どん詰まりの人生の中、女たちの力に魅せられ、自らも女相撲に加わった女性たち。その勢いにも胸打たれる。
2024/06/01
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