ゲンロン3 脱戦後日本美術
ゲンロン3 脱戦後日本美術 / 感想・レビュー
しゅん
椹木野衣「悪い場所」論の再考が本書全体の狙い。韓国、中国、タイ。アジアのそれぞれの国が西洋との関係性において引き裂かれており、強度な建築物のような「歴史」が作れない「場所」なのは日本だけでないことを示す。それに対し、対談において椹木本人は地震国である文字通りの建築の不可能性から「野ざらしの美術」を示し、黒瀬陽平の強い質問を巧みに交わす。そこに「グローバルアート」という西洋美術界でのタームが繋がってくる。この本の発行時点では、現在の捉え方において、椹木の更なる一歩が先に進んでるように思える。
2019/06/29
ころこ
東の巻頭言でも触れられている様に、椹木の『悪い場所』が議論となる共同討議が特集・脱戦後日本美術の中心となります。「日本・現代・美術」は未読なので不確かなことしか分かりませんが、震災後の日本を椹木は唯物論的な視点に拘っているのを、黒瀬は、明治から終戦と終戦から震災までの時間軸にずらして、悪い場所の可能性を引き出しています。黒瀬がゲンロンで連載している過去から現代美術の起源を振り返る論点の様に、現代美術に言文一致体の導入と同様の西欧中心主義に対する屈折があり(例えば、建築を石(西欧)と紙(日本)の間で芸術を考
2017/09/12
チエコ
中動態の世界に通じる論文があったのでそこは再読する。
2017/06/10
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