新対話篇 (ゲンロン叢書)
新対話篇 (ゲンロン叢書) / 感想・レビュー
ころこ
誰でも知っている大家との対談で、浅田彰を除外して加藤典洋を収録したことに代表されるように、考え方が大分違いそうな、ちょっと遠い人物たちとの対談になっています。例えば、鈴木忠志は東を完全に信用していない素振りで、東はホストとして鈴木に問う対場というより、この場を設定した意味を逆に鈴木から問われる立場に追い込まれているようにみえます。ところが、緊張感のある相手と会って話をすることによって生み出されるものに着目するすると、そこまで深くなさそうな対談も東が行っていたゼロ年代批評やその系譜を継いだ人たちの同質性への
2020/05/04
田氏
脳は意識下で思考するよりも0.2秒先に判断を下している、という実験結果がある(Libet et al,1983)。それと関係あるかはわからないが、自分が誰かの論に賛否の判断を下すとき、それに先立って原始的な好悪感情があるのを自身で感じる。「誰が、どのように、何を言ったか」という情報は、まず「誰」で大まかにふるい分けられ、「どのように」のフィルターを通し、ようやく「何を」を認識するために意識が腰を上げる。この本には自分が好感をおぼえる言葉が多く記されていたけれど、そう評価した自分は「何」を読んだのだろうか?
2020/10/09
またの名
「知識や分析なんてなんの役にもたたないのではないかと、そのように考えるようになってしまった。放送はさまざまなひとが視る。彼らの多くは哲学の歴史などなにも知らない。その彼らの願いに触れることができずして、なにが言論だろうか」と一時代を担った思想家に言わせてしまう状況こそ緊急事態。概念や情報がさまざまな経路でさまざまに届く誤配を狙う場所では、筒井康隆断筆宣言は存在しない、フランス流テクスト論の欠点、誤配だらけの日本国憲法、作家自身がひっそり隠してる外傷体験等フォーマルには概念として残せないアイデアが沢山発生。
2021/01/07
かんがく
哲学者の東と様々な研究者、文学者らとの対談。鈴木忠志の対談がダントツで面白い。ナアナアの馴れ合いにならず、東の質問に対して不機嫌そうに言い返す鈴木の簡潔だけど筋の通った発言がたまらない。社会や個人に対する様々な捉え方を知ることができた。
2021/08/20
ぬぬよよ
多彩な顔ぶれの対談集。皇后論は目から鱗。
2020/10/02
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