草 日本軍「慰安婦」のリビング・ヒストリー
草 日本軍「慰安婦」のリビング・ヒストリー / 感想・レビュー
とよぽん
日本軍慰安婦にされたイ・オクソンさんの過酷な人生を描いた伝記。米、英、仏、伊など各国で絶賛されているグラフィックノベルである。韓国の作家による本書の日本語版を出版しようと、出版委員会がクラウド・ファンディングを呼びかけた。私も少額ながら参加し、ついに2020年2月、出版の運びとなった。480ページ余りの大著だが、全ページモノクロの迫力に引き込まれる。先日読んだ絵本『花ばぁば』と同じく、13~14歳の少女が戦争のために人生を狂わせられたことに胸痛む。
2020/02/22
たまきら
先日なぜか雑貨屋さんで夫がこの本に気づき、読みたがったので図書館から取り寄せました。夫はナヌムの家に数年間通い続け、多くのおばあちゃんにかわいがられていたそうです。身の回りのお世話をし、マッサージをしたり談笑したおばあさんたちの声を思い出すよ、と言いながら真剣に読みふけっていました。貧しく学のない人たちの受けてきた迫害の経験が語られています。様々な偏見のフィルターを外し、多くの人に読んでほしい。弱いものを搾取するシステムを学んでほしい。加害者にも被害者にも、傍観者にもなってほしくないから。秀逸。
2024/04/30
タカラ~ム
従軍慰安婦の問題は、政治的な対立や反日、嫌韓といった視点で見られてしまうことが多い。本書は、慰安婦だったひとりの女性イ・オクソンさんの半生を描くことで、人間としての尊厳を蔑ろにする『慰安婦』という過酷な状況を明らかにし、その当時女性の権利がいかに虐げられていたか、いかに軽く扱われていたかを明らかにしている。著者自身も本書刊行で来日した際の講演で、慰安婦の問題が現在のMeTooと同じだと語っている。そういう視点で改めて慰安婦問題を考えるきっかけとなる作品だと思う。
2020/08/05
tellme0112
クラウドファウンディングの頃から気になっていた本。諸事情から応援はできなかったが、半年かけて図書カードを貯め購入。現在と過去を行ったり来たりするところがうまい構成だなと思った。ひとりの人間として見ることができるから。。。心に残る絵がいくつも。
2020/04/04
糸文
★☆★☆★ 改めて戦時中に生きる女の辛さを知らされる、、、日本人に、味方のはずの自国人に、ロシア人に、、、最悪なのは自分の家族に受け入れられないこと。こういう本でも日本語版あり自体が意外、、、(とてもいいことだと思います)
2023/09/29
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