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足摺り水族館

足摺り水族館

足摺り水族館

作家
panpanya
1月と7月
出版社
1月と7月
発売日
2018-10-15
ISBN
9784907259020
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足摺り水族館 / 感想・レビュー

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アナーキー靴下

ファンタジーって何だろう、と考えさせられる漫画だった。目の前を見ているようでいて、自分にしか見えていない何かを見ながら今を生きている。そう考えるなら誰もがファンタジーの中で過ごしているわけだけど、そのファンタジーには何か少し切実な、自分にとって必要な動機が潜んでいる。この本の場合は動機というよりどちらかといえばきっかけで、ファンタジーへの扉は自分の外側にある、という話だ。ふわっとした線画の主人公は、どのシーンにあっても背景から浮いた、どこかお客様のような存在である。どこにもいないからどこにでも行ける。

2021/07/05

コットン

凝った装丁のコミックで好き。普通なら不安になる状況なのにそれを楽しんでいるかのような主人公の女の子による話は、シュールなロードムービーのようだ。

2020/10/03

傘緑

つげ義春や逆柱いみりの窮屈でどこか猥雑な背景に、吉田戦車や中川いさみの日常から横すべりする非日常の世界観と、市川春子やカシワイの儚げな繊細さで、ひたすらに歩く、ガロ式スイゾクカン囚人。本に挟まっていたチケットを手に水族館へと歩いていく表題作の他に、夕飯までの間に近所の商店街のロシアやちょっとその先へおつかいに歩く『完全商店街』、妹の引っ越しを手伝いにフランスやちょっとその先へと歩いていく『冥途』、夜釣りへとぶらぶら歩く『無題』、が私のお気に入り。もしも百貨店にこの本が置いていなければ店長を呼んでくださいw

2017/02/10

kei-zu

表紙にはビニールカバーがかかり、めくるページは柔らかい。丁寧な装丁だ。 本を開くを、不思議な街並みの中で、かみ合わないようで不思議とかみ合う会話が交わされる。 「どこに行くのだろう」登場人物は、折に触れて口に出す。それは、読者の思いでもある。

2021/03/16

あたびー

作者のデビュー本であるらしい。既におかっぱの子が主人公だ。小学生だったり中学生だったりしている。不思議な場所に迷い込む路線が始まりからずっと終始一貫していることがわかった。社会派の側面も見受けられる。お使いのメモ書きにあった読めない文字のものを探して、無いものは無いと言う「完全商店街」に行く話、自由研究のネタを求めて新しい物を展示している「新物館」へ行く話、フランスでパンをかじりながら死者の国へ行く話(パンはこっち側で買ったので黄泉竈食にはならないのだ!)。犬の名前はレオナルドだった。

2022/11/21

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