あしたのあさは星の上 (ele-king books)

まさやん８０

珍しい石ノ森章太郎の童話。 地球の滅亡、宇宙人の襲来に、人間の差別や争いを加味したＳＦ的童話で、石ノ森さんらしい作品。争いの絶えない世の中で、一旦リセットして新しい世界を作るというユートピアを意識している。もっと絵があると良かったのにと思うが、そこは敢えて封印しているのかな。

2019/10/07

たこい☆きよし

石森章太郎のSF絵本の復刻版。5話構成で、ちょっとSFオカルト的な味わいの「ぼうしが空をとんできた」、人の肌の色の起源についてのほら話「よるの色ひるの色」、UFOが残していったなぞの物体をめぐる、ちょっと「路傍のピクニック」的な「空とぶえんばん」、地球滅亡への導入話「ねずみがいなくなった」、そして、太陽の爆発がせまる中、救出に来た宇宙人の前で人間たちが繰り広げる愚行を辛辣に描きつつ、ささやかな救いを用意する表題作「あしたのあさは星の上」まで、バラエティ豊かで、色鉛筆や水彩でざっくり描いた絵が彩りを添える。

2017/06/12