KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

病と障害と、傍らにあった本。

病と障害と、傍らにあった本。

病と障害と、傍らにあった本。

作家
齋藤陽道
頭木弘樹
岩崎航
三角 みづ紀
田代 一倫
和島 香太郎
坂口恭平
鈴木大介
與那覇潤
森まゆみ
丸山正樹
川口有美子
出版社
里山社
発売日
2020-10-25
ISBN
9784907497125
amazonで購入する

病と障害と、傍らにあった本。 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

アキ

人は病や障害と出会い、失われてはじめて知ることがある。体験した人にしか経験できない本の世界。12人の著者はみんな病と障害とで、本を知り、本が導き、本が読めなくなり、本と暮らしと、本を傍らに生きた。巻末に本書で取り上げられた本のリストが載る。どの本も生きることを再認識させてくれる。病や障害は、誰にいつ起こってもおかしくはない。そんな時に傍らに本はあった。おススメ本。

2021/05/11

折田楓そっくりおじさん・寺

この里山社は、いつもいい本を出している出版社のひとつである。今はこういういい出版社が他にもあったりして、そのおかげで良い本が増えている。本書もありそうで無かった企画の1冊。良いメンバーが集まっているとも思う。医療や福祉の本にも思えるが、立派な文芸書でもある。どれを読んでもそれぞれに辛い。しかし微笑ましかったのが頭木弘樹の文章。入院した大部屋でドストエフスキーを読んでいたら流行って、6人の患者全員がドストエフスキーを読んでいてナースがびっくりしていた話。吉田松陰が獄中で合牢者と学校を開いた話を連想した。

2020/11/07

けんとまん1007

改めて、人にとって本とは何だろうと考える。本という言葉の響きは、書物という言葉の響きと異なるものがある。どこか、人に寄り添ってくれているように感じるのは、自分だけだろうか。自分の考えかたとして、人は病である時間もあるし、何がしかの障害と言われるものを持っているというのがある。その時に、本があり、その世界に触れること、その時間の意味は、同じということはない。自分も、どれだけ本があることで救われただろうかと思う。

2023/05/13

ネギっ子gen

この出版社面白し。巻頭に掲げられた文章。【病や障害の名でひとくくりにできない、固有の症状や想い。誰かと分かち合うこともできず。そんなとき、傍らには、どんな本があったのか】。病や障害の渦中にいる人は、心身の辛さのみならず、その想いを、誰とも分かち合えない哀しみに、孤独に陥りがちになる。そんな時、外の世界と自分の内とをつなぐ「窓」となるような本は、あったのか――。12人の当事者、介護者による、本と病と障害と、生きることにまつわる書き下ろしエッセイ集。巻末に「本書に登場する本」の一覧あり。以下、それを紹介――⇒

2021/01/23

現在病も障害も傍らには無いが、弱っている今に寄り添ってくれるエッセイ集だった。読めない書けない、うまくいかない時の薬みたいな本でもある。まだ知らない本の魅力が、可能性がここにあった。ささくれ立った心にじんわりと温もりが浸透していく。つらさや苦しさをただ見つめ、そこから学び、それでも生きる、だからこそ生きる人々の気概が私の肩を叩く。本は読まなくなる、読めなくなる日が来ても、それまでと違う形でまた寄り添ってくれるのだ。これは手元に置きたい。おすすめしてくれた読友さんに感謝。そして私もこの本をおすすめしたい。

2021/11/12

感想・レビューをもっと見る