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リクと白の王国

リクと白の王国

リクと白の王国

作家
田口ランディ
出版社
キノブックス
発売日
2015-10-22
ISBN
9784908059247
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リクと白の王国 / 感想・レビュー

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mocha

小学5年生のリクは、父の仕事(医師)で震災2ヶ月後の福島へ転校する。被災地での暮らしは〈外〉の目を持つ少年にはどう写ったか。「大丈夫だ」という父にも「危ない」という叔母にも欺瞞を感じるリク。次第に心を閉ざしていくリクを救ったのは、体験学習に訪れた北海道の人びとだった。「ふくしまキッズプロジェクト」からの依頼で書かれた作品。ファンタジー要素は要らなかったかも、と思わないでもないが、子どもの心に寄り添う描写が細やかで、もう一度思いを新たにできた。たくさんの子ども達に読んでほしい。

2017/02/25

nyanco

久しぶりのランディさん。以前は良く読んだのですが、スピリチュアルな傾向が強くなりすぎて、少し離れていました。そのランディさんが子供の視点で描いた3.11。3.11ものが実は苦手なのですが、本作はとても良かった。原発が悪いとか、被災した人たちが可哀想、という描き方ではなく、リクの素直な気持ちを描いたのが好ましい。医師である父と一緒に福島に転校したリク。福島から人が離れていく中、反対に宇都宮から福島に。 反対する叔母の言葉をはねのけ、父と共に引っ越したリク。続→

2015/12/30

ぽろん

3.11の二か月後に宇都宮から福島に引っ越した少年リクの物語。折しも、宇都宮の小学校から基準値を大きく越えるセシウムがたけのこ御飯から検出されたと報道があっだばかり。五年が経ち、すっかり、忘れて暮らしていた。少年の目を通して、大人達の本音と建て前が垣間見えた。

2016/05/14

ちいさな図書館

ほんとうは、子どもはわかってる、大人が完璧じゃないことを。ほんとうの気持ちを見せて欲しくて、まっすぐこちらを見ている。あれから5年が経とうとしている。これからは、フィクションの力の出番だ。物語を通して、それぞれの体験に訴える物語の力が必要なんだ。リクとまっすぐに向き合ったおとなたちのような、大人でありたい。

2015/12/03

kiho

サラリと書かれた感のある物語の中に、知るべきこと、忘れてはならないこと、それを伝えようとする作者の思いがじんわりと感じられる⭐地震によって翻弄される主人公と福島に住む様々な人たち…心温まる出来事の裏には、辛さを内に秘めて生活が垣間見える。今もこれからも、忘れてはいけない人たちがいる…。

2016/06/12

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