あやかしの深川: 受け継がれる怪異な土地の物語
あやかしの深川: 受け継がれる怪異な土地の物語 / 感想・レビュー
HANA
深川というと掘割の中を緑色に濁った水が、流れることなく溜まっているようなイメージを持っている。本書はそんな深川に関する文書を集めた一冊。冒頭の深川七不思議から、ふいと川向こうの異界へと引き込まれる気分にさせられる。その後も小説、紀行文、怪談と文章の妙によってそれは高められていき、気が付くとあら不思議、東京の一地区がこの世ならぬ世界へと変貌していた。惜しらむは地理に暗く、地名の連なりを十全に理解できなかった事かなあ。それにしても深川に限らず東京下町は、江戸に通じるトンネルをそこらに備えている気がする。
2016/12/01
てっちゃん
東京・深川を舞台にしたアンソロジー。本所七不思議は知ってたけど、深川七不思議というのは知らなかった。泉鏡花「深川浅景」も雰囲気満点読み応えがあったし、最後の加門七海さんの新作の短編が嬉しかった。
2016/09/14
紅独歩
まず口開けは、本所ならぬ「深川七不思議」。これがまた随分と生々しいものが多い。それらを組み合わせた口演(抄)、深川を舞台にした小説、ぶらりと散策するエッセイと続く。きわどいところまで踏み込んだ深川論、名人の怪談噺等々、深川めしのようにかっこんでとはいかないほどのボリュームを楽しめます。読了後は小名木川の流れも違った色に映るかも。
2016/08/27
夏ユキ
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2018/08/01
yu-cha
古今東西…場所は、本所深川限定だから古今だけ、か…ちょっと怖い話アンソロジー。 宮部みゆきに釣られたのだけど、こういうのはやっぱり、泉鏡花や谷崎が映える。 思いがけない出会いをくれるのが、アンソロジーの醍醐味。
2016/12/05
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