みみをすますように 酒井駒子
みみをすますように 酒井駒子 / 感想・レビュー
やすらぎ
みんなこのときを忘れられないって知っているんだ。この本をひらいて耳をすますと遠くにしまった記憶から何かが聴こえてくるだろう。クマの背中に乗って走った夜も、いつの間にか眠ってしまって迷い込んだあの世界も。海の底にも行くことができるんだって。あのときは黄色い風船が空高く飛んでいったと思ったんだ。一緒に笑ったり泣いたりしたけど、別に今と違って悲しかったわけじゃないから。ゆきがやんだら春が来るけどずっと忘れないから。きっとまた夢の中で会えるから。300点の豪華な酒井駒子さんの原画集。おはよう。また物語が始まるよ。
2023/01/29
アキ
2000年からおよそ20年間の絵本作家・酒井駒子の25作品を網羅した画集。原画展には行けなかったが、改めて1作品ずつじっくり眺めると、子どもは大人とは違う世界を生きていて、不安や安心、悲しみや喜び、無邪気さと残酷さなど誰にでもあった体験や感情を独特な絵で表している。一目で酒井駒子とわかる独特な絵の変遷を、ラフ絵も含めて楽しめます。「みみをすますように」という展覧会の言葉を聞いて、日暮れ時の山の中で一心不乱に飛んで行った蝶の声を探してみたい、と酒井駒子の序文があります。言葉がなくても、絵が静謐に物語ります。
2021/06/17
けんとまん1007
ずっと気になっていた絵。酒井駒子さんの独特の絵のタッチ。少し掠れがあるような、それでいて、微妙な柔らかさがある絵。一度、眼にすると忘れられない力がある。描かれている人・動物・植物・静物のどれもが、お互いをいたわりあっているように思う。何度眼にしても、新しい発見がある。
2023/02/11
とよぽん
図書館で、出会った! 今日一番の収穫。酒井駒子さんのデビュー作から最新作まで、20冊を超す絵本を中心に、訳300点の原画を選んで掲載。子ども、生きもの、自然、光、影・・・うっとりする時間だった。
2022/01/16
カフカ
酒井駒子さんの画集。“はじめに”に書かれていた「その静謐さをたたえた美しい絵と、詩的で思索的な文との響き合い」という言葉が、酒井駒子さんの作品にぴったりだと思う。どれも幻想的でノスタルジックでうっとりするほど美しくて、ゆっくりと惜しむように眺めました。まだ駒子さんが装画や挿絵を担当してる小説や絵本で未読のものが沢山あるので、少しずつ読んでいきたいと思います。
2022/04/12
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