片隅03
片隅03 / 感想・レビュー
k.m.joe
菅野樹さんの小説「ひとかりしちろ」は、時代小説。言葉が喋れない剣士七朗と混血の富松、本来は高い身分にあるあぐりという少女、それぞれの苦悩と強く生きる姿勢が伝わる。 葛引すい子さんの小説「ゆきしろの底」は、どこか宮沢賢治の世界に通じるような動物と人間が同一の立場で語られているような面白味がある。土俗的な世界観も魅力的。 残念なのは、全体的に誤字脱字が目立つ。小説とかだと「表現」なのか間違いなのか迷う局面もあり。しかし、それを瑕疵とあげつらう気にまではならない。言葉や思いの力が伝わる雑誌ではある。
2017/09/18
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