すべては装丁内 (LINE文庫)
すべては装丁内 (LINE文庫) / 感想・レビュー
よっち
著者から念願の詩集刊行ゴーサインをもらった新人編集者・甲府可能子。刊行条件でイラストの制約を受け、装丁デザイナー選びに苦戦する可能子が、編集長の紹介で腕利きだけれど偏屈な烏口曲に仕事を依頼するお仕事小説。情熱が空回りしがちな可能子と、理路整然と上から目線で仕事を選ぶ曲。一見、掴みどころのない曲にも、妥協をせずに最高のものを作り上げようとする熱い想いやこだわりがあって、彼に感化され多くの人に支えられながら、最高の一冊を作るために邁進する姿にはぐっと来るものがありました。続きが出るならまた読んでみたいですね。
2019/10/03
芳樹
現役ブックデザイナーの木緒なち氏による”装丁”に焦点をあてた物語。ブックデザインというのがかくも奥深いものとは思いもせず、いつも適当に表紙を眺めてた自分が恥ずかしい限り。お仕事ものだけどエンターテインメント要素満載で大変面白く読みました。三嶋くろね先生のイラストも秀逸です。読了後に改めて表紙を見ると、なるほど深く考えてデザインされているのだというのが分かりました。続くかな?続きがあると嬉しい限り。
2019/10/07
わたー
★★★★★書籍のデザイナーをテーマにしたお仕事小説。数多くの作品のデザインを手掛けてきた現役デザイナーである著者だからこそ書ける物語だったと思う。普段は、この作品は装丁をKOMEWORKSの木緒なちさんが担当しているんだと目にすることはあっても、具体的に何をやっているかは知らなかったので、興味深く読ませてもらった。主人公の情熱と烏口の理路整然としたデザイン論が噛み合って、小説としても面白かった。綺麗に纏まっているだけではダメで、敢えて少しズラすことで引っかかりをつけるというのはまさにその通りと思い、納得。
2019/10/10
なな
表紙を見て、読むかどうか決めることが多々あるので、興味深い内容でした。これから読む本は文字の配列など装丁を気にかけてみたら面白そうです。可能子の頑張り屋な性格に好感が持てました。デザイナー烏口の毒舌イケメンという設定に王道を感じましたが、嫌いではないです笑。熱森先輩にも可能子のことを諦めず頑張ってアタックしてほしいです。烏口の過去も明らかにされていないので、続編があったら嬉しいです。
2020/05/13
ひぬ
【電子】「装丁」と本を作る過程であまりスポットライトを浴びない職業に焦点を当てたお仕事モノ。偏屈な装丁デザイナーと新人編集者のタッグが良かったです。何気に主人公が多才。少し謎を残したままの完結だったのに加え、単純に面白かったので、続きが読みたいですが、廃刊になっているので無念。
2023/05/19
感想・レビューをもっと見る