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ええかげん論

ええかげん論

ええかげん論

作家
土井善晴
中島岳志
出版社
ミシマ社
発売日
2022-10-21
ISBN
9784909394767
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ええかげん論 / 感想・レビュー

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けんとまん1007

関西弁でいう「ええかげん」という言葉。こうであらねばならない・・毎回キッチリと・・・という所から、どれだけ間合いを取るのかと思う。その時その時の少しの違いは、あってしかるべきだと思っているし、だからいいのだとも思う。お互い様であり、そこを合わせていくことがいいのだとも思う。手をかけることの意味を再考する。手をかけることの大切さと、かけ過ぎることの危うさ。素材と自分、関わる人との距離感のとらえ方。ある部分で、委ねることにも繋がり、その先にあるのが結果としての利他かと思う。

2023/03/15

ネギっ子gen

【「美味しく作ろう」という賢しらな計らいから解放され、素材や味噌に委ねた時、本当の「おいしさ」が宿る】「ええかげん」を探求する2人が、3回に亘って語り合う。土井:<季節の食材を見つけたら、少し手をかけて料理すること。きれいにお料理の舞台をつくって盛り付ける。それは、私たち人間が自然をもてなしているんです。見栄えよくちゃんと整えることで、自分も家族も気持ちがよくなるし、豊かな恵みを与えてくれる自然をもてなす……感謝を表す。和食的なこういう観念は、実は「利他」の元で、人間を包む大きな世界を循環させている>。⇒

2024/10/01

joyjoy

読みながらとってもワクワクした。ただ、お二人の話をいいなぁって思えば思うほど、今、自分がやっていることとのギャップを、つらく感じた。でもやっぱり、読んでよかったし、何度も読み返したい。わたしはわたしの「ええかげん」をよりよいものにしていくために、今は、経験を積んでいくときなのだ、きっと。感じること、「他力」、「平凡の非凡」など、心に残る言葉がたくさんあった。自分が大事にしたいことも伝えつつ、学んでいきたいな。より自由になるために。

2022/12/05

さっちも

土井さんは、いい格好しようという自我のない人、自然体の方。そういう印象を受けていたが、まさにそうだった。利他であるゆえに美しい。料理という行為が季節がそうだからとか、タイミングがあってるからとか、自然のためとか、人のためとか、未来のためとか、自分が何かを得ようとする気持ちが透けて見えると薄ら寒いような気持ちになる。それが希薄で素晴らしい。ただその事を1冊かけて開陳しすぎると、それはそれで作為が見てとれて何となく苦しい。思想が強すぎてええかげん、良い塩梅とは言えない感じがした。書いてることは共感できるのだが

2023/09/23

ほし

「料理と利他」に続く、土井善晴先生と中島岳志先生による対談集。前作でもまさに読んでいて目が開かれるような想いがしましたが、今回も最高です。土井先生と中島先生による言葉のやり取りから立ち上がる、料理を軸とした世界。偶然を受け入れながら、素材との関係性の中で料理をする。その中で、「ええかげん」を見つけていく。全てをコントロールし、100点を目指すのではなく、その都度の自然を受け入れ、関係性の中で何をするべきかを探していく料理のあり方。料理を超えて、生き方にも繋がるような素敵な一冊でした。

2022/10/23

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