ぜんぶ間違ってやれ──XXXテンタシオン・アゲインスト・ザ・ワールド (ele-king books)
ぜんぶ間違ってやれ──XXXテンタシオン・アゲインスト・ザ・ワールド (ele-king books) / 感想・レビュー
A8C
逝去から4年経った今でもテンタシオンショックから抜け出せず、彼の音楽に戻ってきてしまう。 Look at me!(俺を見ろ!)と言わんばかりに目を引く本書に出会い、読後はその理由が掴めたような気がする。 昨今の入れ替わりが激しいラップゲームにどこか馴染んでいなかったオンフロイ ここまで極悪人のレッテルを貼られたアーティストは音楽史で唯一、彼ひとりだけにして欲しい。 そう懇願するほどにShitでSad!な彼と彼の音楽たちを書いた本書は、まるでテキストの散弾に脳天を撃ち抜かれたかのような衝撃を味わえた。
2021/07/06
go
XXXテンタシオンに音楽的な才能、それも特に優れた才能がある事は、英語もわからず彼にまつわるゴシップを一切知らなかった日本人の自分だからこそよくわかる。この本を読んで思ったのは、そんな優れた才能があろうとも現代の集合無意識の前では潰されてしまうという事だ。賢く立ち回らなければ死。
2021/02/11
小澤俊亮
われわれが口角泡を飛ばして侃々諤々するごとに、シリコンバレーのテック企業の懐がチャリンチャリン鳴るというSNSの搾取構造(政治家・有名人の失言が引き起こす炎上騒ぎ、スポーツブランドの広告を端緒とする差別をめぐる水かけ論、強権国家による民主活動家取り締まりに対する抗議気運の高まりは、いずれもいうなればジャックポット状態でジャックとマーク欣喜雀躍)をデビュー作『くたばれインターネット』で暴き立てた著者が、逆にツイートに材を取ることでその構造をひっくり返してみせた快作。
2021/01/17
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