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星と祭

星と祭

星と祭

作家
井上靖
出版社
能美舎
発売日
2019-10-20
ISBN
9784909623027
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星と祭 / 感想・レビュー

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KAZOO

何度目かの再読です。何年か前にこの本が琵琶湖のほとりの十一面観音があるところで復刊されたということで手に取りました。最初に読んだときの印象がよみがえりました。会社人であった主人公が娘を失いその娘の心を求めて十一面観音に出会います。そこで琵琶湖の周りの十一面観音巡りを行います。私もこの本を読んで何度か渡岸寺を中心とした十一面観音巡りを行いました。再度訪ねたくなりました。新年に読むにはいい本でした。

2023/01/01

kawa

別離した妻との間に出来た17才の最愛の娘が琵琶湖で行方不明に。懸命の捜索も虚しく遂に遺体は見つからない。その痛手を引きずる主人公の内省を、ヒマラヤへの観月旅行、同時遭難した青年の父親らとの交流、琵琶湖畔に在する数々の十一面観音像仏などを通じて描く。子供の死という重いテーマ、著者の巧みな配剤で読み手の息切れを許さない展開に参りましたの感。何度か訪れている琵琶湖畔の古寺巡りも、本書を刺激に再開しよう。

2024/04/16

mayumi

子を喪った二人の親の悲しみの向き合い方を描いた長編小説。主人公の架山は前妻との間にできた高校生の娘を琵琶湖でのボート事故で喪う。ボートに同乗していた男子大学生の大三浦と共に湖中へと沈んで発見されないまま、七年の時が過ぎていた。架山は大三浦の父親に誘われて琵琶湖周辺の十一面観音を参拝し、そこに救いを見出す‥というストーリー。この小説はヒマラヤ観月も描かれるけど、そこに必然性を感じない。ダラダラと長い。あと、タイトル。星は運命、祭りは鎮魂を意味してるそうだけど、作中ではそんなこと一言も書かれてない‥。

2024/05/05

アメヲトコ

愛する人を突然喪ったとき、人はその死をどのように受け入れていくのか。湖国の十一面観音の里とヒマラヤを舞台にした壮大な長編小説です。先月、高月の渡岸寺の十一面観音をふらりと訪れたとき、復刻されたというこの本を拝観受付で目にし、何か惹かれるものがあって購入しました。旅での出会いというのはありがたいもので、またいつか湖北にもと思いました。

2021/11/12

デンプシー

ヒマラヤへの旅で、祈りながら暮らす人びとや永劫の時間の流れに触れたときに、素直な気持ちで、許せない人も忘れられない悲しみも愛おしく遠くのものになる。主人公と共に旅をする様な気持ちで、読み進めると、そんな気持ちにこちらもなってくる。琵琶湖の周辺の十一面観音様にお参りしたくなる。読んでいく中でこっちも主人公の気持ちになる。したがって、ストーリーが進む中で主人公が出会う新しい現実解釈にも主人公と同じで驚き感動する。これを初めから構想して書いたとお思われる。井上靖の凄さ。

2021/05/01

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