考える葦
考える葦 / 感想・レビュー
かみぶくろ
選ぶ言葉のチョイスとか文体とかリズムとか、内容以前にこの筆者が作る文章そのものが好きだ。
2018/10/31
ジョンノレン
この人、小説も別ジャンルも読んだことがなかった。第1部は谷崎や三島、大江等十数名の作家に焦点を当てた文学論その他だけど何故かしっくり馴染めず。2〜4部は引き続きランダムエッセー。印象に残ったのは写真家広川泰士氏の作品に寄せた「人間の居場所」、たまたま数日前に読んだスッタニパータレベルのスケール感からアプローチしていて、すんなり入ってきた。その他のエッセーは、逆にスッタニパータで諌めていた世の諸々の見解にとやかくやらかしてる感あり、ほどほどに流し読み。何故か小説を読んでみたいという気分にはならなかった。
2024/05/03
アキ
本は「紙とインクによる彫刻」である。その装幀とは作品のポートレートのようなもので、作家でさえ刊行前に初めて見える事を知る。となれば1冊の本は作られた途端、作家から離れ読者のものとなる。そして愛する人がいなくなったときその人が繰り返し読んだ本のページを開くことで、その人の痕跡に触れることができる。装幀家は、紙の本をこの世に存続させ続けることが必要な理由のひとつなのである。『菊地信義の装幀』を読みたくなる評論。などなど冴えわたる評論。クリストファー・ノーランの映画の批評もいいわあ。
2018/11/17
yamahiko
秀逸なエッセイです。美しい文体と研ぎ澄まされた表現。創作のバックグラウンドを垣間見ることができました。
2018/12/15
ソングライン
文学、自作、芸術、時事の4つの章に別れた2014年から2018年に執筆されたエッセイ、評論集です。初めて感銘を受けたという京都大学時代の恩師小野紀明の講義集「西洋政治思想史講義」、作者著書の「葬送」の主役の一人ドラクロアと対立する新古典主義の巨匠アングルの弟子であるシャセリオーが臆することなくドラクロアの画法を取り入れる姿を語る「禍としての才能」が印象に残りました。
2019/04/13
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