短篇文藝漫画集 機械・猫町・東京だより
短篇文藝漫画集 機械・猫町・東京だより / 感想・レビュー
Susumu Kobayashi
横光利一「機械」、萩原朔太郎「猫町」、太宰治「東京だより」を原作として、作者が漫画化したもの(原作も収録されている)。ご存じ独特の描線でユニークな作品世界が立ち上がってくる。「機械」のお金を落としてばかりいる主人ってのは、いったい……。「猫町」はブラックウッドの「いにしえの魔術」の方が強烈で、そちらの印象が残っている。昔、読んだはずなのになあ、「猫町」。「東京だより」は意外なオチ。「機械」だって、謎の要素を残して終わっていた。当時の作家も意識的にミステリの要素を作品に生かそうとしていたのか。
2021/05/11
こばゆみ
めちゃくちゃ良かった〜!短編小説を漫画化した本は数あれど、「あらすじ把握するだけで、文章の良さは体感できないのよな〜」と思っていたところへ、こやつは原作も併録しているという万能っぷり!特に「猫町」が良かった〜!山川さんの描く猫だらけの町が、本当に不気味で作風に合ってた!いや〜夢に出てきそう(笑)
2022/04/17
チェアー
「機械」があまりにも奇っ怪な小説でびっくりした。変わった主人と同僚を前に、自分の感情が振り子のように揺れて、自分でコントロールできなくなる。最後は人を殺したのかどうかすらもわからなくなり。機械法則による審判を望むようになる。これも薬品の効果なのか。 独特の絵で作品がリアルではない形で立ち上がってくる。こういう小説はリアルでないほうが、象徴であるほうがいいのかもしれない。
2021/08/21
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