女神 太宰治アイロニー傑作集
女神 太宰治アイロニー傑作集 / 感想・レビュー
MICK KICHI
(表紙・挿画: YOUCHAN) アイロニー傑作集と題した短編集。太宰治を読むのは、35年ぶり。そんな前に出会った作品なのに、鮮明に記憶が甦える作品があるのは、太宰作品が青年期に差し掛かろうとする心の襞に、密着して現在まで生き残って来たせいだろうと感じる。妙に浮かれて道化を演じて自虐的になりたい時など、あぁ、太宰的だと思ったりする、あるいは筒井康隆的かも知れないが。 収録作品からとられたタイトル「女神」が秀逸。男は愚かで下衆、女性は賢明かつ崇高。そんな観念的テーマを各作品の根底に感じた。
2020/01/13
くさてる
太宰治の短編からアイロニー色の濃い作品をセレクトした短編集。もうつくづく、うまいし、面白いし、やんなるくらいにすごいな、太宰!というのが正直な読後感です。言うまでもない傑作が揃ってるので、ひとつひとついうのもなんですが、「駆込み訴え」や「カチカチ山」や「待つ」などのこの令和の現在でなお光り輝く現代性というか、時代に左右されない人間性の描写とかもう、言葉がない。つくづく良かったです。ああもう悔しいくらいに。
2021/02/06
たつや
「駈込み訴え」がユダの裏切りを書いていると知り探してこの本にたどり着く。太宰はユダをこの様に捉えたんだなという感想。「灯籠」はヒロシのネタ?と思う程卑屈で笑えた。「カチカチ山」の 考察も面白く読めた。太宰治の未読を全て読みたくなった。
2022/10/31
abe623
太宰久しぶりに読んだけど好きだわ〜
2020/09/10
Mie
これ、時系列順に並んでるのかな?なんとなく、せんぜん→戦時中→戦後の移り変わりも感じるようなお話だった。 私は結構カルタの話、好きだなあ…
2022/06/15
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