崩壊を加速させよ 「社会」が沈んで「世界」が浮上する
崩壊を加速させよ 「社会」が沈んで「世界」が浮上する / 感想・レビュー
ころこ
前回の同シリーズから早4年半、時の経つのは早い。その間、著者は思想的な本を書いていませんでした。本書はいうまでもなく映画批評であり、批評される映画をみることが前提となっているようにみえます。ところが本書には随所に言外・法外・損得外、砕け散った瓦礫の中の一瞬の星座、未規定的な非決定論など、思想的な内容が盛り込まれています。いや、思想的なことを語る動機にこそ映画があるのだと言いたげです。著者のここ数年の政治に対する発言は正直失望することも多く、特に世田谷区に対する住民として優越感が抑えられない発言は、リベラル
2021/05/11
踊る猫
宮台真司の書くものは興味深く読んできているのだけれど、上から目線の言い方になるのだけれど映画評が一番私の心理として素直に読める。それは、彼が映画を語る中で自分の生きづらさやコンプレックスに素直になって、その弱さを吐露するからだろう(氏はこういう読まれ方を嫌がるだろうな、とも思うが)。「あらすじ」を整理してそこからストーリーやシークエンスの旨味を語る評論ではなく、そういった旧態依然とした映画評論に浸る私たちの安寧の「崩壊を加速させ」る評論として興味深く読む。だが、ファン以外にこの評論は届くだろうか、とも思う
2021/05/12
Tenouji
オルタナティブな現実が、権威の鼻を圧し折ってた時代はとうに過ぎ去り、合理性が極まった社会では、ベタ vs ベタになってるのか…しかも概念言語内では区別不可能…もう、いいかな言説による議論自体w。
2021/05/23
ゆうきなかもと
宮台真司の批評する映画、薦める映画は本当にすごい。見てしまうと人生観が変わってしまうほどのすごい映画だ。そして宮台真司の映画批評も、すごい。私なりの本書の感想を言えば、「映画は何でもあり故に、容易に社会(システム)を超える世界を描きうる。故に映画を通して、世界と瞬間的にでも繋がれる。そして以下に映画を媒体として世界に繋がれるのか?それを本書は教えてくれているのだ。」
2021/07/02
がんちゃん
要はこの社会はクソであり、そこに何の疑問を持たないで身を預けて生きている輩はクズだということなんだな。もしもクズになりたくなかったら、まずはこの社会がクソであることを実感しなければならないけど、このクソ社会にどっぷり浸かっていると、自分が茹でガエルであることさえも気づかなくなる。だからこそ感性を磨かなければならないわけで、そのために映画を観ることが一つの方策になるってことなんだな。とはいえこのコロナ禍もあって俺はこの1年あまり映画館に行ってない。ああ、俺もますますクズになりつつあるってことかぁ。
2021/08/09
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