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シュークリーム (第5巻) (灯光舎本のともしび)

シュークリーム (第5巻) (灯光舎本のともしび)

シュークリーム (第5巻) (灯光舎本のともしび)

作家
内田百閒
山本善行
出版社
灯光舎
発売日
2023-03-01
ISBN
9784909992543
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シュークリーム (第5巻) (灯光舎本のともしび) / 感想・レビュー

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Y2K☮

京都の出版社・灯光舎の本。著者初読み。噂にたがわぬ独特の名随筆と漱石愛を満喫した。漱石はなんだかんだで漢気に富んだ面倒見のいい人だった気がする。あとある作品における「同学の太宰君」「彼はフランス文学科」というくだりを見てパラレルワールドへ迷い込んだかと困惑した。正体はもちろん津島修治ではなく百閒と同郷の太宰施門。「昇天」やメロンのエピソードから伝わる悔恨の重さを最後に収められた表題作の微笑ましさが中和してくれた。このシリーズは装丁が美しくて手触りも素晴らしいのだけど、特に本書のそれらは絶品。第2期もぜひ。

2023/10/29

pirokichi

書店で本書を目にした途端、素敵!と思わず手に取った。シュークリームの皮のような表紙も収録エッセイ「シュークリーム」を表題としたセンスも本の大きさも薄さも文字のフォントも帯も、何もかも好み。収録作品は山本善行氏撰の内田百閒の随筆と小説「漱石先生臨終記」「昇天」「掻痒記」など全8篇。どの作品も引きつけられ、おもしろかった。「長春香」では、「ノラや」的百閒先生を見てしまったわ。メロンを食べてない話は胸にぐっときた。本書は京都の小さな出版社・灯光舎の「本のともしび」シリーズの5巻目。中島敦など他も読んでみたい。

2023/03/11

kankoto

山本善行氏撰集。「 漱石先生臨終記」「長春香」「昇天」など死を扱った作品、たちまち自分の周りに何とも言えないまるで自分がそこに佇んでるような空気感に包まれる。 ちょっと怖くて足元をすくわれるような、それでいてピンと糸を張ったような緊張感と美しさ。  あたまのデキモノに悩まされる「掻痒記」はなんとも言えず可笑しみを感じてしまう。このユーモアが含まれている所も百閒先生の好きな所。 この撰集の題名にもなっている「シュークリーム」、短い作品だけれど読んだ人それぞれの胸に何かを思い起こさせる作品なのではないだろうか

2023/03/07

michel

人柄が滲みでた作品たち。「漱石先生臨終記」漱石先生への敬愛が、百閒の朴訥で不器用な人柄で表され、親しみを感じる。「長春香」教え子だった女学生の長野は関東大震災で消息不明となった。彼女を悼み弔う闇鍋の会。「昇天」昔の女、おれいさんの最期を看取る。死を前に急速に耶蘇への信仰心が育っていく。幻妖な雰囲気のなかで、一つの別れが悲しく描かれる。 「掻痒記」遊食の悶々とした気持ちが頭皮の掻痒に現れたのか。淡々とした記すが、痒みにひりひりと苛立つ様子がまたユーモア。「乱れ輪舌FOT」「寺田寅彦博士」「シュークリーム」

2023/08/20

まみ

シュー皮のような表紙と見返しをめくるとカスタードクリーム色の扉、なんてかわいい本。百閒先生の文章はかなしみとおかしみが良い塩梅でただよいどうにも愛おしい気持ちになる。乱れ輪舌FOTがなんともおもしろくて好きでした。

2023/07/22

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