1809
1809 / 感想・レビュー
yasuhitoakita
オーストリア戦役後のウィーンを舞台にナポレオン爆殺計画という主題を巡って、様々なメロディーが絡み合う交響楽のような作品だと思う。 加えて、路地裏の蕪の看板、イグナツ家の煮込み、夏の埃に満ちた空気といった当時のウィーンの空気がまるで現前しているかのように描き出す佐藤先生の筆力に感服した。 お蔵入りになったという著者のメッテルニヒ論も読みたいし、また「自由」を夢見た公爵が次の舞台であるペテルスブルグで暗躍?する後日譚も読みたい。
2023/09/09
ふみあき
長らく絶版だった『1809』が、オンデマンド(ペーパーバック)で復刊。この体裁の本は初めて購入するが、まぁ普通のソフトカバー。電子書籍が苦手な人間には助かる。佐藤亜紀らしい非常に読むのに骨の折れる小説だったが、後半、主人公パスキ大尉を襲った刺客の正体が明らかになる場面にはゾクッとした。
2020/06/24
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