醜聞の作法
醜聞の作法 / 感想・レビュー
石
長編というよりは中篇くらいの長さだが、一筋縄ではいかない人物造形にひねりの効いたストーリーと、佐藤亜紀らしい作品 無責任な大衆が暴走して歯止めの効かなくなる展開は、現代のSNSと通ずるものがある
2023/10/23
むらて
フランス革命前のパリ。匿名の、誰のとも知れぬ醜聞譚を巷に流布させることで、貴族の家内での横暴を押しとどめんとするその企みを、依頼主への報告となる十八信の手紙とその合間に挟まる四つの覚書で描き出した作品。真偽も知れるその“たかが市民間の噂”に、貴族も無視出来ずその追求と非難の矛先に汲々とさせられる様は、その後のフランス革命につながるものがあるのでしょう。そして現代の私たちには、SNSでの炎上とその暴力としてより身近に感じられるものでした。ルフォンの様に燃やしつつも収められたらいいけどね。
2024/02/20
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