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旅をした人―星野道夫の生と死

旅をした人―星野道夫の生と死

旅をした人―星野道夫の生と死

作家
池澤夏樹
出版社
スイッチパブリッシング
発売日
2000-02-01
ISBN
9784916017918
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旅をした人―星野道夫の生と死 / 感想・レビュー

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はたっぴ

池澤氏が知る「星野道夫のすべて」が語られている。二人が出逢ってから間もなく星野さんが亡くなったため、友達の間柄ではなかったことを残念がる池澤さんが、渾身の思いを込めて上梓した一冊だ。どの頁のどの言葉にも友情に劣らない特別な温もりを感じる。二人の対談は勿論、私が星野さんを知ることとなった『地球交響曲』の映画監督である龍村氏との対談が素晴らしく、何度も往復しながらの読書だった。自分が一生を全うして、無事にあの世に逝けたら会ってお話してみたい星野さん。池澤氏が注ぐ熱視線に厚かましくも仲間意識を感じてしまった。

2016/07/04

chantal(シャンタール)

猛暑続く今日この頃、雪と氷に閉ざされたアラスカの大地に思いを馳せ、しばし涼を感じる。初めて読んだ星野道夫さんの本の解説を書いていたのが夏樹さんで、その解説が素晴らしくて、その夏樹さんが星野さんを語るこの本を手に取る。実際そこまで深い仲ではなかったようだが、でもこの本を読めば、夏樹さんがどれだけ星野さんを好きだったかは理解できる。星野さんが残したものの素晴らしさも。ご健在なら今の世界を彼はどう感じたのかなあ。一度失われたものは二度と戻らない。世界は今一度、立ち止まって考えてみるべき時なのでは?と強く思う。

2024/07/28

reading

星野道夫氏の作品と人生に迫る、池澤夏樹の考察。星野氏の写真の素晴らしさはもちろんのこと、その文章の秀逸さも感じていたが、池澤氏も同様に感嘆しているのを読んで、納得した。本当に稀有な人柄と才能を持った人であり、逝去されたことが残念でならない。できるだけ多くの作品を味わいたい。

2024/09/02

511

1.僕は星野道夫の大ファンだ。けどこれまで彼の文章の素晴らしさを語ると、何か不足してるような、そんな物足りなさにずっと悩んでいた。だが池澤夏樹はそんな悩みを解決してくれた。星野道夫の素晴らしさとアラスカの素晴らしさをこれほど的確に表現している文章は他にないだろう。ありがとう、池澤夏樹。プロはやっぱ違う。2.P59「見たものをなんとか表現しようと、余計な言葉を削りとり、そうやって生まれた文体。見たものがすごいからなまじっかな言葉は捨てられるのだ」3.P216「自然というのは人間に対してまったくの無関心です」

2016/09/30

水の都

これほど浸透度の高い文章は滅多にない。読書中はラジオの音量をいつも下げるか、あるいは消しているが、この書籍はどんな雑音も跳ね除けて脳を占拠する。もうこれは相性でしか説明はつかない。星野道夫さんのエピソードだからだろう。

2024/02/27

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