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水底の仮面 (ヴェヌスの秘録 1)

水底の仮面 (ヴェヌスの秘録 1)

水底の仮面 (ヴェヌスの秘録 1)

作家
タニス・リー
Tanith Lee
柿沼瑛子
出版社
産業編集センター
発売日
2007-04-01
ISBN
9784916199973
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水底の仮面 (ヴェヌスの秘録 1) / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

夜な夜な錬金術師シャーキンの依頼で不可解な死体を集めていた美貌の青年振りアンは、夜の運がで不吉な作りの仮面を拾う。若き天才音楽家のものと噂されるアポロの仮面は秘密ギルドによってつくられたものだった。ギルドの仮面をつけた者が皆不審死を遂げている事から謎を探っていたフリアンは、やがて青い蝶の仮面をつけた美しいエウリデュケと出会う。ヴェヌスはイタリアのヴェニスがモデルなので人々はゴンドラで移動する。異なるのは仮面使用が義務付けられている点で、簡単に本心を見せない人ばかりであることを示唆している。

2022/01/30

桐ヶ谷忍

主人公は友人の医者の為に河に流れている死体を探す(医者は錬金術師で死体を利用している)。ある日主人公は川面に浮いていた精緻なつくりの仮面を拾う。その仮面を拾ってから、暗殺されそうになり…。コアなファンが多いタニス・リーを初めて読んだが、この一冊だけで、私には合わないと思った。主題としては面白いと思うのだけど、文章が論理的でない(訳者が悪かったのだろうか)。

2018/08/11

ぬのさと@灯れ松明の火

パラレルワールドのヴェネツィア。仮面をつけた豪華絢爛な謝肉祭の描写が濃密です。

2012/06/24

madhatter

『パラディス』的な作品を期待して読んだが、リーにしてはわかりやすく、お約束な展開で些か拍子抜けした。そういう意味では意外な展開かもしれない。但し、神話・宗教などの本歌取り(フリアンは聖フランチェスコのパロディなのか)は楽しいし、恐ろしさと紙一重の美しさを描写するリーらしい表現は健在。特に、リーによる仮面の女というと、短編「ゴルゴン」を思い出すが、エウリュディケの素顔はもっと恐ろしい。前者はそれでも感情を表せた。だが、彼女はそれすらできない分、余計に恐ろしく、哀れだ。

2011/07/17

katka

『ゴルゴン』を先に勧めたい。……主人公フリアンは偶然、妙なものを拾っただけで、事件に関係ないのでは。落し物は落したほうが悪いのでは? ただ居合わせたばかりに無力な貧乏人を虐殺する。この街では無意味に人は死ぬのか? でも、彼はそうした危険で不潔な貧民窟に自分の意思で来たはず。状況に自ら深入りしていく気持ちは彼にとって不思議なのか――? 謎の青年フリアンに「動機の幻想性」(仮面性)を見る人なら、ミステリーの水路を追ってこの街ヴェヌスに迎えられるかもしれない。

2023/11/12

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