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盛岡ノート

盛岡ノート

盛岡ノート

作家
立原道造
出版社
盛岡ノート刊行委員会
発売日
2007-01-01
ISBN
9784924585003
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盛岡ノート / 感想・レビュー

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もりくに

久しぶりの盛岡。いくつかの落ち着いた建物を見て歩き、「もりおか啄木・賢治館」で、この本を購入。ケースに入り、手に納まる変形サイズ(?)。解説によれば、ゲーテの「イタリア紀行」に倣ったもの、と。盛岡滞在の一か月が、詩人で建築家の眼で見て、詩人の筆で描かれる。青春の煩悶であり、「おまえ」への恋文だ。お気に入りの「叢」を見つけ、じっと四方の山の変化を精密に描写する。でも、「僕の言葉の無力さ!どうしたら おまえに この風景をつたえることが できるだろうか この風景のよろこびを」。地元の発行、出版、印刷所の作品。

2024/11/14

さばずし2487398

日記というわけではなく、目に映る情景を詩的にしたためた美しい散文詩集という感じ。その繊細さと翌年には亡くなってしまう事を考えてやるせなくなる。宮沢賢治もイーハトーブと謳った様に、岩手の風景にはどこか日本とはまた別の、不思議な時間の中の空間を感じる瞬間が確かにある気がする。文中所々最愛の人の描写が現れて、遠くに行っても結局そういう人が恋しくなって、すっかり忘れる事なんてできないんだなと思う。

2024/09/19

opika

地元の書店売上でもランキング上位になっていた。再刊版。1938年秋に盛岡に滞在した際の想いを恋人に宛てて書いた文。当時とは建物など変わったところが多いだろうけれど、逆に変わらないものもある。それは目に見えるものだけではないはず…。立原道造さんは滞在の翌年に病気で亡くなったという。とても若いのになぁ。大切にしたい本。誰かにプレゼントしても良いかもしれない。

2023/12/07

Seahorse

愛宕山に登ると、ついでに彼の歌碑を読む事にしている。とても素敵な詩なのだが、どこかの本に載ってるのかな。彼の文章は透明で美しく、彼の事、映画化して欲しいと、どこか思ってしまう。繊細な美しさ。

2023/11/13

AppleSugar

丹下健三の一年先輩としての建築家の顔も持つ詩人、立原道造が、第二次世界大戦がヨーロッパでその端緒を開いた1938年に盛岡を訪れた日々をまとめた旅行記。 「人の生きることがここではすべて美しい絵のようだ。信濃の高原ではそれが音楽のなかであったように」や「長かった今日の一日 そして短かったこの一月」など、姫神山や中津川といった豊かな盛岡の自然を詩人は吸い込み、息を吐くように美しく言葉を紡いでいく。 風景と情緒の詩情の構成が何故か小沢健二の歌詞を思い出させた。

2023/10/16

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