少年たちはなぜ人を殺すのか: 対談集
少年たちはなぜ人を殺すのか: 対談集 / 感想・レビュー
白義
暴力メディア有害論やラベリング的な精神医学への批判、年長世代のリアリティーが少年犯罪を語る何の役にも立たないことなどの大筋は確かにと思うけど、脱社会的存在というものを重く見すぎなのと新しい現代的なものなのではと思ってる点は今見るとさすがに古い。より正確に言えば、そもそも昔からずっと理由もなく人を殺す少年は社会にいたのに、今さらなタイトルが10年前だからやむを得ないとはいえ今さらか。時代論もフラットな社会で底が抜けた若者が…という論旨は、サブカル的な話の面白さを差し引いても疑問符を付けざるを得ないか
2012/07/21
彩灯尋
大学時代に読みたかった…論文に使えそうなところがちらほらと。暴力的なゲームをしているから暴力的な人になるのかと言われたらそうでもないよね。メディアによるミスリード。そうさせたいみたいに、事件があると部屋からそういうマンガが見つかっただのゲームが見つかっただの報道するあれ、いい加減もう止めない?
2016/07/09
まめ
個人の資質なのか、教育のせいなのか、環境のせいなのか。こういう本を読むといろんな原因が言われるがすべて想像で対処法も、もっともらしい正論ばかりに聞こえる。ただ、ホラー映画や残酷なゲームのせいではないと私も思う。
2009/12/31
抹茶ケーキ
酒鬼薔薇事件の後に頻発したいわゆる「17歳の殺人」についての対談。「底が抜ける」こと(社会成立の無根拠性の看破)が殺人の原因だと宮台は主張。まあ確かにそういうところはあるよなと思った。ただ、問題なのは「底が抜ける」ことではなく(社会の無前提性なんて一部の頭のいい人は何百年も前から気づいていたと思うし)そういう動機を社会が受け入れる程度にまでその考えが膾炙したということなのではとも思った。歴史性を考えていないっていう点で(間違っているとかつまらないという意味ではないけど)少し「浅い」のかなと思った。
2015/11/03
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