ためらいの倫理学: 戦争・性・物語
ためらいの倫理学: 戦争・性・物語 / 感想・レビュー
マエダ
再読、著者が本書を通じて試したことは「批判性の硬直」状況から何とか抜け出ることで、「生活者の実感」にも「専門的知見」にも回収されない、「ふつうの人のふつうの生活実感」に批評の語法を見出したかったという。
2019/01/29
おけば
"「分からない」というのは敗北の宣言ではなく、「叡智への欲望」が起動したことの徴である。それこそは読者のち的なブレークスルーの予兆なのである。だから、「分からない」というのは少しも恥ずかしいことではない。"(P. 261)という言葉に安心した。
2014/08/24
13km
こっちのほうの内田先生は難しいけど、やっぱりしびれる。特に他者に関する部分の記述のひとつは日本がこれから隣国とどう関わっていく方法があるかの選択肢のひとつに思えた。
2012/09/17
SAHARA
「自分の正しさを雄弁に主張することのできる知性よりも、自分の愚かさを吟味できる知性のほうが、私は好きだ」(259頁)。よく映画監督はデビューに作家の全ての現れるというが、この引用がこの本が出たあとの20年間の内田樹の著作の全てに貫かれていると思う。自分が弱いものの立場に立っていると決めつけること、自分をイデオロギーなり権力なりに同定していることに気づかない怖さ、愚かさについて考えてみる。反権力が権力になっていくことの難しさ、しかたなさ。「とほほ」自分もシステム側にいることの申し訳なさ。「わりぃ、ごめん」と
2022/01/24
よしもと まき
内田樹は色々読んだけど、残してあるのはこの1冊だけ。近年、酷く浅はかな知識人に成り果てたな。内田。
2017/08/10
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