いつかかえるになる日まで
いつかかえるになる日まで / 感想・レビュー
雪紫
亡き作家栗本薫が息子のために作った童話。「せかいいち大きなおべんとう」を終え表題作から続くおたまじゃくしやザリガニがだいちゃんと死に別れるシリーズへ。ある種の死生観が見えるとともにそれを優しく、切なく伝えてくれる1冊。
2022/08/22
キキハル
これは母から息子へのメッセージ。息子のためだけに語り聞かせようとした物語。たくさんの生きとし生けるもの。動物も昆虫も人間も地球も。それぞれ与えられた時間を生きて死んでいく。幼い子には理解できない。大人だって分かりたくない、真実のお話。目をそむけず、やさしい言葉で紡がれる世界は、ただ愛と希望に満ちている。こんなお話を母からもらった子は幸せだ。私は子や孫にどんなお話を残してやれるのだろう。
2013/08/13
ぐうぐう
栗本薫が、小説家としてよりも、母親として、5歳の息子へ向けて書いた物語が、ここには収められている。息子を愛する母親の優しさに溢れた、それは物語だ。と同時に、そこには喪失の受容や、死の必然という、これから息子が迎えるであろう人生の厳しさに対する覚悟も綴られている。しかしそれすらも、母親の深い愛で包まれていることの感動。5歳で死の必然を教えられた息子が、その20年後、母の死と直面したとき、この物語が大きな役割を果たしたのだろう。そう思いたい。
2013/07/20
野のこ
表題、たまおは成長が遅くて不安でいっぱい。でもね みんなそれぞれのときがある、急がなくていいのよ。と教えてくれる。大切なのは与えられたぶんちゃんと生きる 「も のもり ゆらゆら」の文がゆったりとした気持ちになれました。表紙のザリガニのジーコのお話は可愛かった。旦那のギータを探す旅。「おーい だんなやーい」の一文が好き。絵もたまらなく良い。特に旦那は突っ込みどころ満載!!あとがきにほっこり、息子さんのために書かれた物語なんですね。ほのぼのとユニークかつ優しい気持ちの詰まった一冊でした。
2017/01/14
雨巫女。
《私‐図書館》栗本薫さんの遺作。まさか童話とは思いませんでした。そのいくつかの作品には、死が描かれてることに子供へのメッセージを感じる。
2013/08/28
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