『変態心理』と中村古峡: 大正文化への新視角
『変態心理』と中村古峡: 大正文化への新視角 / 感想・レビュー
gtn
「ボンクラな世の中」から脱却するには「出る杭」「出過ぎ物」が必要と中村古峡は説く。その出る杭に大本を置き、出口ナオを宗教性妄想痴呆患者、出口王仁三郎を詐欺師と徹底的に批判する。アウトサイダーを叩くことによって天皇を中心とする生態系を更に浄化しようという狙い。しかし、ここまで大本への攻撃が執拗なのは、同教の沿革と古峡の生涯が重なったためだろう。大正期「変態心理」誌を十年も刊行した古峡。その対象は犯罪者、不能者、異民族、男性化せる女等々。大本の例から自明だが、著者はこれらマイノリティを擁護するつもりはない。
2020/04/07
感想・レビューをもっと見る