死を見つめる美術史 (isの本)
死を見つめる美術史 (isの本) / 感想・レビュー
Meroe
ヨーロッパ、主に古代~中世の、死にかかわる造形。とくに興味深いのは、死体の腐敗の表現と、運命の女神や運命の車輪。人間の死体が腐敗するということはいまよりずっと身近で、語られも描かれもし、教訓とも記念碑ともなりえた。見慣れないものが多いはずなのに、文章のためか、(あまりにも、といっていいほど)現代の日本人の感覚にも馴染みやすい。図版が小さくて見づらいのは残念。
2012/05/05
ユーディット
カテゴリーを思想・宗教に入れるか美術に入れるか悩むところだけど、でも美術というより死に対する人間の捉え方と対応の仕方の研究。西洋中世が基本だけれど、古典古代や日本についての記述もある。いつも参照している研究者です。
2015/10/22
稲村めぐみ
運命論の章がとくに面白かった
2014/05/19
IKUNO
タイトルに「美術史」とあるが、むしろ、古代・中世ヨーロッパで「死」がどのように考えられていたか、ということに重点が置かれていた。ちょっと期待していた内容とはずれてた感じ。
2013/08/26
おかゆ
人類が歩んできたその歴史について概括的に学ぶことが出来る上に、祈り・腐敗・魂のあり方など死に繋がるテーマごとに論じているためわかりやすい。我々は昨今のコロナウイルスを含め、度重なる疫病や戦争による脅威的な死の暴力と共に生きているが、それでも尚、死ぬことを受け入れ生きている人は少ないような思える。死を見つめることは自分を見つめ明日へと生きていくこと。忘れずにいたい。
2024/05/16
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