カール・シュミットの挑戦
カール・シュミットの挑戦 / 感想・レビュー
やまやま
人民主権に基づく国家は、法に従属し、代表制的立法議会によって決められた目的の執行者となるが、これは「政治」ではない。政治とは、集団が敵対関係に置かれ、それぞれが他方を和解不能な戦うべき敵として認識されたときに、初めて出現する現象という定義を為す。この「敵対理論」を極端とみるか、合点がいくかがシュミット理論に傾くかどうかの一つの分水嶺である。編者シャンタル・ムフは左派の理論家ではあるが、人民投票的な民主主義観と官僚制的な大衆政党の台頭が、ポピュリズムか独裁かというジレンマを生むことに注目している。
2019/08/20
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