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傘とサンダル

傘とサンダル

傘とサンダル

作家
岩松了
出版社
ポット出版
発売日
1998-07-21
ISBN
9784939015137
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傘とサンダル / 感想・レビュー

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モルテン

砂丘に建つ、写真家の別荘を舞台にした戯曲。別荘の持ち主の写真家は数か月前に死に、この別荘も他の人の手に渡る。最後の思い出にと、その写真家を中心にした「海に沈む夕陽を撮る会」のメンバーが別荘に集まる。別荘の中二階で繰り広げられる人間模様――。えーと、「舞台外で起きている何か(とてもエゲツナイこと)」を、舞台上の人物の台詞だけで観客に想像させる岩松了の手腕をたっぷり楽しめる一作。盲目の女性が一人おり、彼女に見られないこと・知られないことを意識した話が続く。しかし、登場人物が多く、把握するのに苦労した。

2014/07/27

岩松了お得意の人間関係の煮詰まりを描くのに、「砂丘の中にそびえ立つ有名写真家のアトリエ」という舞台設定はあまりに劇的で、使い勝手が悪そうに感じた。基本的には群像劇、次第に狂騒が舞台中を覆っていく趣向は名作『アイスクリームマン』とも被る。ただ、今作は人数を持て余し気味な印象。出ハケのタイミングの妙も一段落ちるかなあ。 それでも対立関係が明確になる後半はやはり面白い。仄めかされる三角関係には大興奮。リアルで見たらめちゃくちゃ面白いんだろうなと想像が膨らんだ。

2022/02/03

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