日本人は爆発しなければならない―日本列島文化論
日本人は爆発しなければならない―日本列島文化論 / 感想・レビュー
roughfractus02
大阪万博に関わった芸術家と民博設立に尽力した人類学者の対話は、外来文化を「融通無碍」(岡本)で「よきをとり、悪しきを捨てる」(泉)基準で文化形成を今も続けるこの列島の地理・歴史・心性をテーマとする。両者は日本はキリスト教、朱子学(儒教)、仏教を宗教として受容したかと問い、中国、朝鮮、ベトナム等東アジア大陸での外来宗教との対立の歴史と比べ、この列島の「イデオロギー」構造に迫る。対話には、土着宗教の多元性が外来宗教の二元性を意識の表層で取り入れつつも深層まで届かないこの特異なシステムへの批判が随所に見られる。
2023/03/23
kaz
めちゃくちゃ面白かった!50年も前の対談だけど、全く輝きが失われていないどころか、いまだにこの対談の内容を乗り越えていない現状がある。 中沢新一さんの『日本の大転換』を直前に読んでいたので、相乗効果的に面白かった。そろそろ、本気で独立しなければならない。
2019/08/03
紙狸
芸術家・岡本太郎と文化人類学者・泉靖一の対談。初版は1970年刊行。2000年に復刻された。岡本太郎は、文献学や考古学の対象ではなくて、「精神の最も深い奥底の動き」に触れることが大切なのだと熱く語る。泉靖一も、大胆な切り口でずばずば持論を展開する。日本にキリスト教が浸透しなかったのは「多元論」から「二元論」への切り替えの経験がなかったからだ。朝鮮では朱子学の二元論が定着していた。ベトナムはどちらかというと日本に近い。この2人と梅棹忠夫が、大阪万博を契機とする国立民族学博物館の設立の原動力になったという。
2019/03/18
むらさきたらこ
四半世紀ぶりの再読だが、当時は太陽の塔制作の裏に民博誕生があったエピソードをすっかりすっ飛ばしてて今更へぇーってなった。
2022/06/03
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