皆殺し文芸批評: かくも厳かな文壇バトル・ロイヤル
皆殺し文芸批評: かくも厳かな文壇バトル・ロイヤル / 感想・レビュー
阿部義彦
図書館本。98年刊、四ツ谷ラウンドという、聞いた事のない出版社より出ています。と言うのも元々は新潮社の『新潮』で企画された、これによって文壇が大パニックになった評論集で、流石に新潮社も単行本化を躊躇ったのでこうなりました。福田和也を中心として、評者の面子が凄いです、柄谷行人、絓秀実、東浩紀と言った、見巧者が集まり、第三の新人以降の主だった著者に対して名指しでかなり辛辣な事まで言います。特に一番酷いのは島田雅彦に対するもので、その他松浦恵理子、室井光広も酷い言われよう。阿部和重はまだ出たばかりですが高評価。
2022/12/31
肉欲棒太郎
全体的に福田和也の「無双」ぶりが際立っている。しかし、文芸批評家ってのはどうしてこうも揃いも揃って上から目線の人たちばかりなのか。
2017/11/05
nokaisho
2010年代の福田和也がまったく元気がなくてあまりにも寂しいので本書を注文して初めて読んでみた。同じ四谷ラウンドから出ている「皆殺しブックレビュー」は他の2名も言いたい放題だったが、本書は若き福田和也がダントツに目立っている。大暴れ的な方向だけでなく、もっと若い大杉重男や東浩紀に積極的に発言を促したりしてる点も。文壇的に真贋の別がついていない頃の対談で阿部和重に賭けており、その次の対談ではその勝負が当たり前についている感じが面白かった(「シンセミア」以降は評価していないようだけど)。
2017/12/08
shaito_kan
批評空間系の文芸評論の座談会を収録したものですね。
2010/09/24
yoyogi kazuo
柄谷行人と東浩紀の名前が著者の中にあるが、両者が席を共にする座談はない。もう昔の小説ばかりなのでなんのアクチュアリティもないが、この程度の毒舌(?)が許されなかった状況だったのかと思う。もちろん今は小説も批評も、もっと貧困化している。
2024/08/10
感想・レビューをもっと見る