失われた旅を求めて
失われた旅を求めて / 感想・レビュー
まーくん
著者は80年代からアジアを中心に旅し、旅行記の出版社まで立ち上げてしまう。沢木耕太郎『深夜特急』は70年代。バックパッカーはその前から世界を歩いていたが、著者は80~90年代が最も旅し易い時代だったという。確かに2000年代に入り世界は不安定になったかも知れない。本書は中国・東南アジアからインド・中東・アフリカまで、失われた旅を自ら撮りためた写真をもとに、その時代や場所を振り返る。これまで訪ねたところで最も衝撃だったところは、82年の初インドと翌年の中国だという。やや暗い色調の写真に過ぎ去った時代が蘇る。
2020/12/25
DEE
交通機関がどれほど進歩しても行けない過去への旅。人によって変えられた場所、天災や戦争で壊された場所、元の姿を思い出せないくらい発展した場所。 それらの過去を写した写真とその時の様子が記されている。東南アジアでは国境を開いたばかりの国があったり、中東は今と違って自由に安全に旅ができた時代。当時行けなかった国に行けるようになり、反対に行けた国に行けなくなってしまった。 旅ってそういう意味でも一期一会なんだなと思う。
2020/06/04
アルクシ・ガイ
写真の説得力というのは凄い。私は最近ではほとんど写真を撮らなくなった。記憶に焼き付けるのが最高の映像美だと思っていて、自分ひとりで楽しむぶんにはまったくその通りなのだが、他人に旅の美しさを伝えるとなると、やはり画にまさるものはない。
2020/11/28
Yasutaka Nishimoto
1980年代からの自由旅行。いまではもう行くことのできない、過去の街。デジタルでない写真の良さもあるが、スマホやGPSのない旅の良さ。いまならどうしても飛行機に乗ってしまうであろう移動も、バスや列車の味がある。戦乱や民族への攻撃によっても無くなってしまった風情が、本書でよみがえる。
2020/06/18
noko
バックパッカー愛読書というか、旅人向けの本を沢山出している出版社、旅人社の主宰蔵前さんの写真集。80年代90年代に旅をした時の写真を集めた本。テーマは「失われた」なので、内戦や災害、時代の流れで変わってしまい、蔵前さんの撮った時とは今は違う。好奇心があるから、旅人はどこまでも行けるし、行きたい。著者はインドが好きみたい。私は今まで機会がなかったので、いつか行きたいな。コロナで旅に行けない今、どんどん失われる景色が増えていってるのかな。人生は一度だけ、まだまだ見たい景色が、私にはある。その為に今日も頑張ろ。
2021/06/13
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