ニューヨーク・レストラン狂時代
ニューヨーク・レストラン狂時代 / 感想・レビュー
きゅー
80年代の香りを芬々とさせながら、個性的なレストランの数々が紹介されている。グルメエッセイと大きく異なるのは、料理に関する記述が少ないこと。レストランのある界隈について、その建物について、オーナーについて等々を語りかける。そしてまた、レストランという場所がたんに食事をするための場所ではなく、刺激的な社交場として捉えているのも面白い。安井かずみの持つ美意識、他人を強く意識する立ち居振る舞いも同じ時代であれば苛々感じただろうが、30年近く経ってみるとその壊れやすさ、傲慢さも含めて個性として楽しむことができた。
2014/01/23
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