空と樹と
空と樹と / 感想・レビュー
Roy
★★★★★ ただそこで立ちどまればいいと思った。先へ先へと走るのではない、世界に身を委ねてみることが出来る停止。五感を研ぎ澄まし、あるがままを受け入れ、根を持ち、想像すればいい。驕らなければそこが自分の場所となる。人は高みから見下ろすことを好む。そして自分の為に見上げることもする。そうではない、木の根のように張り巡らせて見ること、それが僕は大切だと思う。「空の下で、樹のことばを、聴くように見、見るように聴く」これが樹を見ることらしい。そして人を、世界を。
2009/08/31
ぱせり
この本の中にいると、まわりに音があることも空気があることも忘れてしまいそう。できるだけじっとして、心澄んでくるのを大切に感じていたい。日高理恵子さんの絵もよかった。この木々は、どんな人であってもきっと受け入れてくれる。何も飾らず、何も言わず、ただここにいればいいんだ、という気持ちになります。
2009/09/14
てまり
深く息を吸い、樹の下で、ただ眼と耳と心だけ開いて。そういうときが私にもあったかな・・・記憶は遠い。見上げるような樹は今、立ち止まる場所ではなく通り過ぎる場所にある。足を止めて、にんげんらしくあるための樹の下で。それは憧れ。詩人のことばは、遠い夏の記憶を伴って響いてくる。
2010/07/05
rin
★★★★★
2022/11/21
冬
国立新美術館にドマーニ明日展を観に行った際に出会った。その時は買わなかったのだけれども、しばらく経ってやはり手元に置いておくべき本だと思い購入した。長田弘さんの言葉におそらく初めて出会い、穏やかな衝撃を受けた。それは私がかつて自然の中で体験した感覚を代弁してくれているようで、同時に、私がこれからの時間の中で経験する感覚を予見しているようだと感じた。繰り返し何度も戻ってきたい本とは、こういう本のことなのだなと思った。
2020/03/28
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