神々の山嶺創作ノート
神々の山嶺創作ノート / 感想・レビュー
ぐうぐう
傑作小説『神々の山嶺』がいかに誕生したかを綴ったエッセイ集。言わば、メイキング・オブ・『神々の山嶺』。読んでいて実感するのは、世界一の山に登る物語というのは、世界一強い男を決める物語である『餓狼伝』をはじめとする格闘小説と、本質的には同じだということだ。さらに言えば、未踏の域を目指すという意味では、『魔獣狩り』のサイコダイブ、人を超える『キマイラ』とも同じである。つまり夢枕獏とは、未踏の場所こそにロマンを、いや、物語を感じる作家なのだろう。
2016/03/31
コロチャイ
作者が実体験したこと。高所での人間の生理など、主人公深町に面々と滲んでいる。山が好き、物語が好き。これが愛重なり合って、ヒマラヤかを呼んでいると錯覚し行ってしまう。実際に心に熱くヒマラヤ病気だとおもった。キマイラシリーズが読みたくなった。
2024/07/02
はじめさん
「神々の山嶺」がどのようにして執筆されたのかが記された創作ノート。獏さんの売れなかった時代から、ブレイクした時代なんかの話。本格山岳小説の原型は、なんとエベレストに登ったど!→須弥山にワープ→登るぞ! という伝奇小説のアイデアで、それが初期長編に色々と枝分かれしていったそう。/ あとは獏さんの「あとがき」に対するスタンスだったり、エベレストやネパールといった海外での山岳体験について。高山病による幻覚とかおっかないな。。。/ 人は誰しも心に未踏峰を持っている。なぜ本を読むのか? そこに積ん読の山があるからだ
2016/04/28
yamakujira
「岳人」に連載した「~創作ノート」に、過去の文章を加えて編んだエッセイ集。著者が得意とするSF作品になじみがなく、著者の作品も「神々の山嶺」「陰陽師」といくつかの短編しか読んだことがないから、「魔獣狩り」「幻獣変化」とかの作品に言及されてもわからないものの、披露してくれた着想の過程はおもしろかった。「神々の山嶺」の創作秘話で「~どんどん森田勝に引きずられてゆき(中略)より高い場所までこの物語を運んでいってくれた」と自画自賛してるけれど、だから「神々の山嶺」は読んでて白けちゃったんだよね。 (★★☆☆☆)
2017/07/02
はかせ
山がすきなのだなあとおもう。キマイラはヒマラヤにたどりつくのかなあ。作者が羨ましい。
2016/04/30
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