「2025年は時代の転換点」27タイプ別に運勢を占う、当たると話題の水晶玉子インタビュー
更新日:2024/12/10
TVやラジオでも人気沸騰、西洋・東洋の枠を超えてさまざまな占術を研究する占術研究家の水晶玉子さん。今年も、累計発行部数71万部の大ヒットシリーズ「水晶玉子のオリエンタル占星術 開運暦」の最新版『水晶玉子のオリエンタル占星術 幸運を呼ぶ365日メッセージつき 開運暦2025』(水晶玉子/集英社インターナショナル)が発売された。
水晶さんが得意とするオリエンタル占星術とは、真言宗の開祖・空海が中国から持ち帰った宿曜経(しゅくようきょう)という占いと、その源であるインド占星術をミックスしたもので、生年月日から導き出す27の「本命宿」タイプ別に運勢を読み解くものだ。
本書には、27宿別に毎日水晶さんの開運アドバイスが読める開運暦が収録されているほか、人気占い師・ゲッターズ飯田さんとの2025年大予測対談、27宿×12星座 2025年運勢ランキング、絆を強める相性辞典に、「水晶玉子の開運アドバイスおみくじシール」など、盛りだくさんの内容となっている。
2025年、大激震のときをどう生きる? 水晶さんに、お話をうかがった。
〇2025年は「柳宿」。「しなやかさ」がキーワードに
──2025年版は、赤、白、シルバーの星が流れるように配置された華やかな表紙です。表紙はラッキーカラーになっているんですよね。
水晶玉子さん(以下、水晶):2025年のラッキーカラーは赤と白、シルバーです。オリエンタル占星術では、2025年は柳宿(りゅうしゅく)の年なので、柳のように流れるイメージでデザインしました。2025年は、しなやかであること、柔軟であることがすごく大切なんですよ。ここ数年言い続けているように、今はまさに大きな時代の転換点。10年で運気が一巡する十干(じっかん)の占いでは、2024年は10年の新しいサイクルが始まる木の陽の気の「甲(きのえ)」の年で、世の中の空気や人の意識など、目に見えない部分が変わるタイミングでした。
そして2025年は木の陽の気の「乙(きのと)」で、陽の年に変化した「目に見えない部分」が、「目に見える変化」として現れる時期です。いいことも悪いことも、変化が目に見えるような出来事がたくさん起こりそうですね。
また、乙(きのと)は、縦に伸びる一本の樹のような甲(きのえ)のイメージとは対照的に、横に広がっていく草花のようなイメージがあります。干支の「巳」、つまり蛇は、五行の「火」の気に属する十二支ですから、草むらに火がつくと一気に燃え広がっていくように、新しいものが勢いをもって世界に広がる雰囲気でしょうか。いいことも悪いことも、ムーブメントとなって広がっていきそうです。
大きな台風が来ると、大きな木が倒れてしまう一方で、草が折れることはありません。水に浸かっても、枯れてしまったようでも、しばらく経つとふたたび芽を出すことさえある。しなやかで、すごく強靭です。オリエンタル占星術の「柳」も、まさに「柳に雪折れなし」のイメージですね。それから、日本において蛇は弁財天の使いだと言われていますが、実は弁財天って、もとはインドのサラスヴァティー、つまり川や水の女神様なんですよ。川って、蛇行しながら流れていくものですよね。2025年は何事もストレートに行かないからこそ、そういう、屈曲しても、しなやかさを感じさせる象徴が揃っているのかもしれませんね。
──そういえばここ数年は、いろいろなものが「固まりきった大きなもの」から、「しなやかで柔軟なもの」にシフトしてきたような気がします。
水晶:そうですね。「どうしてもこれで」という感じでやっていくよりは、その「どうしても」のところを守るためにも、しなやかにならなくてはいけないときもあるのではないでしょうか。「本質を守るために、もう少し柔軟に考えてみよう」ってね。
さらに、オリエンタル占星術の「柳」は細い葉っぱで、これは狭い専門性を表しています。私は、「みんななにかの職人にならなきゃいけない」ということかなと考えています。日本人だけじゃなく、世界中がなにかの職人になれば、すごく生きやすくなると思うんですよ。それに、草花に優劣がないように、なんの職人であるかということにも優劣をつけてはいけない。
──いろんな草花があってこそ、美しい草原になるということですね。
水晶:そうそう。政治家も大工さんもみんなすごいんです。それぞれの能力ややっていることに、「どちらが優れている」なんて思わなくていい。みんなが必要でみんなが自分の好きなことや得意なことを伸ばして職人になれば、その知恵を結集してなにかできるんじゃないかということです。理想論のようですが、そういう世界を想像することで、2025年以降の世界が見えてくるような気がしていますね。
──『水晶玉子のオリエンタル占星術 開運暦』を読んでいると、大きなスパンで運気は巡っていて、「自分もそういう大きな『巡り』の中にあるひとつなんだな」という気がしてきます。自分ひとりでは持ち得ない視点で、おもしろいですね。
水晶:「占い」って、西洋でも東洋でも、自然の循環に学んでいるものだと思うんですよ。星の巡りを読むタイプの占いは、ほとんどが「物事は自然が循環していくように巡っていて、繰り返しながらも新しく生まれ変わっていくんだ」という発想があると思いますね。タロットや易はまた違うジャンルの占いですが、やはり自然の摂理を教えてくれるものだと感じます。
──視野に広がりが生まれる感じがします。悩みごとって、視野が狭くなっているから苦しいのかもしれませんね。苦しいときがあっても、水晶さんが「フランス革命のころは……」と書いていらっしゃるのを読むと、「そんな激動の時代もあったんだもんな。自分たちだけじゃないよな」と、ちょっと元気が出るというか。
水晶:私、実は昔から歴史好きで、今はパソコンで昔の星の動きもわかるので、占いで歴史を見ると、歴史が違ったふうに見えてくるのがおもしろくて。そんな私も、昭和ののほほんとした時代に生まれましたから、東日本大震災、そして新型コロナの流行が起こるまで、自分が生きている間にそんな大きな事件が起こるなんて思っていなかったんですよ。
でも、だいたい平均年齢くらいまで生きると、誰でも一度はそういった大きな出来事に遭遇するのかもしれませんね。私の親世代なんて、若いころに戦争があったわけですし。それが「生きる」ということなのかなと思うこともあります。
人間、本当につらいときほど、「明日も今のまま、このつらさは永遠に変わらない」って思いがちじゃないですか。そんなときに占いを見てもらえれば、『水晶玉子のオリエンタル占星術 開運暦』はとくに365日分書いてありますから、「運気は毎日、毎年違うし、今は悪くてもいつかはよくなる」と感じてもらえると思うんですよ。思い詰めてしまったときに、「明日はいい日かもしれない」「来年はいい年かもしれない、来年はダメでも次は…」と思ってほしい。どんなにつらいことがあっても、「明日は違う日」と思えるきっかけにしてもらって、生き抜いてほしいです。
〇2025年、あなたに訪れる「運命の出会い」は? 27宿別プチアドバイス
ここまでは、どの宿の人にも当てはまる2025年全体の運勢を見てきた。より詳細な運勢が気になる人は、27宿別、2025年に訪れる「運命の出会い」をチェック!
自分の「本命宿」は、「水晶玉子のオリエンタル占星術」サイトで確認して。
「本命宿」がわかったら、2025年、あなたに訪れる「運命の出会い」を見てみよう!
- 婁宿(ろうしゅく)
- 胃宿(いしゅく)
- 昴宿(ぼうしゅく)
- 畢宿(ひっしゅく)
- 觜宿(ししゅく)
- 参宿(しんしゅく)
- 井宿(せいしゅく)
- 鬼宿(きしゅく)
- 柳宿(りゅうしゅく)
- 星宿(せいしゅく)
- 張宿(ちょうしゅく)
- 翼宿(よくしゅく)
- 軫宿(しんしゅく)
- 角宿(かくしゅく)
- 亢宿(こうしゅく)
- 氐宿(ていしゅく)
- 房宿(ぼうしゅく)
- 心宿(しんしゅく)
- 尾宿(びしゅく)
- 箕宿(きしゅく)
- 斗宿(としゅく)
- 女宿(じょしゅく)
- 虚宿(きょしゅく)
- 危宿(きしゅく)
- 室宿(しつしゅく)
- 壁宿(へきしゅく)
- 奎宿(けいしゅく)
〇占いから「自分の生活を楽しくするためのインスピレーション」を得てもらいたい
──『水晶玉子のオリエンタル占星術 開運暦』の2025年版は、長いスパンで運気を見通せる「5年の運気バイオリズム」が掲載されていますね。大きな買い物をしたい人や転職を考えている人など、すごく役に立ちそうです!
水晶:私もスタッフもみんな、毎年、より面白くしたい、どこかは変えないとつまらないっていう人ばかりで(笑)。「今度はどこを変える?」という話になるのですが、今回は、本当に先を見通しにくい時代だからこそ、「5年後くらいまではこんな感じですよ」という見通しがわかると便利かなと思って、これから5年の運気の流れがひと目でわかるようにグラフ化しました。年単位の計画や目標を立てるときに役立ててください。
また、2025年版は、「自分を変えるスイッチポイント」と題して、宿ごとに2025年の運気の切り替わりポイントを解説しています。柳の枝って、ところどころに節があって、またスッと伸びてという形ですよね。柳宿の年は、そんなふうにスイッチを切り替えなければいけないタイミングがあることも特徴です。そういった1年に1~2回のギアの変えどころがどこにあるか、明確にしてみました。
2025年の要警戒ゾーンの「七曜陵逼(しちようりょうひつ)」は、7月1日~24日と8月26日~9月21日にやってきます。ちょうど1年の真ん中で、ここを境に1年が前半と後半に分かれるような形であるんですよ。人によっては、七曜陵逼の前後に結果を出さなくちゃいけないということがあるかもしれないし、七曜陵逼の前に運命の人に出会うかもしれない。そんなとき、七曜陵逼はどう過ごせばいいかという、七曜陵逼のしのぎ方のアドバイスにもなっていると思います。
──私、七曜陵逼って怖いばかりの期間だと思っていたんですが……たとえばギアって、いきなりシフトしたら戸惑う感じがしますよね。それをソフトランディングさせるために必要な期間なのかなっていう気もしてきました。
水晶:言われてみればそうかも! 七曜陵逼の期間って、2020年からすごく多くなってたんですよ。コロナ禍真っ只中の2020年はもちろん、2024年も90日以上あったのですが、2025年は51日で、少なくはないけど、ぜんぜん違う。ここ最近、七曜陵逼が多かったのは、「みんな、シフトチェンジだから気をつけましょう」っていうことだったのかな。どんなに世界が変わっても、みんな生きていかなきゃいけないわけだし。シフトチェンジは楽ではないけど、みんながちょんまげを切った明治維新のときほどじゃないのでは?と思ったりしますね(笑)。
政治で世の中のシステムが変わることもあるけれど、リモートで仕事ができるようになったり、SNSで瞬時に情報を共有することができたり、科学技術の進化も世の中の仕組みをすごく変えていくときです。七曜陵逼も、「それに合わせてギアチェンジする期間ですよ」って教えてくれていると思えば怖くない(笑)。
──それに、水晶さんのご著書を読んでいると、警戒日の「六害宿」の日は、「可能ならなにも入れない日」になりますよね。そうすると、その日は「休んでいい日」だと思えるようになったんです。働き方がもっと自由になって、いつ休めばいいかわからなくなった人が出てきたときに、占いは「休む日も必要なんだ」という指針になってくれるだろうなと思います。
水晶:その発想、いいですね。フリーランスだと、いつ休んだらいいかわからなくなりますしね(笑)。「六害宿の日は休んでいい日」として、「今日はデジタルデトックス!」なんて言って、スマホの電源切っちゃうのもいいかも(笑)。休めないこともあるだろうけれど、休めるなら、「早くおうちに帰ってお風呂に入って寝る」みたいな日にしちゃえば、たしかにいい日になるかもしれませんね。
占いって、いろんな視点のうちのひとつだと思うんですよ。さきほど言った「歴史を占いの視点から見るとおもしろい」ということだって、ただ私がおもしろいだけで、歴史学者が聞いたら「なに言ってんだ?」という話だとは思うけれど(笑)、ある意味ではひとつの視点じゃないですか。社会や人を見るときも、占いの視点で見ると寛容になれたり、理解できたり、「しょうがないな」って思えたりするかもしれない。視点のひとつ、解釈の方法のひとつとして知っていると、自分の心の幅が広がるかもしれません。
──解釈といえば、たとえば、開運暦で「外に出てみましょう」と書いてあっても、「今日は外に出られる体力がない……」というときは、「新しいジャンルの本を読んでみる」など勝手に読み替えをしています。占いの使い方として間違っていませんか?
水晶:ぜんぜん間違ってないし、「今までの枠から出てみる」=「外」で構わないと思いますよ! 私なら、体力がない日に「外へ出ろ」って書いてあったら、ベランダでゆっくりするかなあ(笑)。それに西洋占星術では、旅を司る場所と、読書や学びを司る場所は同じなんですよ。心の旅には、実際の旅と同じ効果があるということでしょうね。
占いの解釈って、本当に自由で、たくさんあっていいものなんです。同じような星の動きをどう解釈するか、どう表現するかは、その人の自由。占い師さんの数だけ占いがあって当然なんですよ。占いに書いてあるひとつの言葉から、連想ゲームみたいにいろいろ発想してみるのもおもしろいですね。
「読書」でも、作家がある意図をもって書いたはずのものを、読者はぜんぜん違うふうにとらえて、作家が「えっ、そうなる?」みたいに思うこともあると思うんですよ。占いの言葉も、それぞれのインスピレーションで受け取ってもらえたらうれしいです。
この『水晶玉子のオリエンタル占星術 幸運を呼ぶ365日メッセージつき 開運暦2025』は、言葉の数はすごく多いし、若い方もお年を召した方も、性別も雇用形態も、なるべくいろいろな状況の方に当てはまるように書いていますので、そこから自由に、自分の生活を楽しくするためのインスピレーションを得てもらえるといいなと思います。
取材・文=三田ゆき