21世紀音楽の挑戦/ みの『戦いの音楽史』
YouTube「みのミュージック」で独自の音楽批評を行う、みの氏。著書『戦いの音楽史』では、20世紀ポップスの歴史を軸に、世界と日本音楽の発展を解説しています。 アーティストというのは一見、深く考えずノリで、自分たちの好きなことで偶然スターになったと思われがちです。しかし彼らの地に足つけた、マーケティング術、リーダーシップ、リスク管理能力の高さは必見! 様々な逆境を越えたエピソードの数々は胸を打つことでしょう。 20世紀のポップス史は、音響の記録・再生・複製の技術発展とも密接な関係をもっています。レコードやテープといった音響媒体(メディア)と再生技術の発明によって、音楽はより強い拡散性をもつようになりました。 1980年代初めにはCD(コンパクトディスク)が市場へ導入され、音楽産業はアナログからデジタルへと移行します。そして21世紀に入り、パソコン、インターネットの環境が広く普及し、音楽業界の産業構造が大きく変化し始めることになります。 連載の最終回は、21世紀の音楽産業の変化について触れたいと思います。その前にまず、音楽媒体の歴史を振り返っておきましょう。 磁気媒体が、…